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日経平均33年11カ月ぶり高値 米株連動に戻った日本株

日経新聞より引用

19日の東京株式市場で日経平均株価は4日ぶりに反発し、前日比497円10銭(1.4%)高の3万5963円27銭とバブル経済崩壊後の高値を更新した。1990年2月20日以来、33年11カ月ぶりの水準。

年初から米株とは無関係の独自の上昇を続けてきた日本株だが、前日の米ハイテク株高を受け、半導体関連銘柄がけん引し、日米連動相場が戻った格好だ。海外勢の資金流入を追い風に一時3万6000円台に乗せたが、後場では利益確定の売りに押された。

台湾の半導体世界大手の台湾積体電路製造(TSMC)が業績の回復を示したことを受け、18日の米国株式市場では半導体関連やアップルなどハイテク株の一角が上昇した。

19日の東京株式市場でもアドバンテストが一時前日比9%高、東京エレクトロンが一時6%高と、いずれも上場来高値を更新した。この2銘柄だけで、日経平均を277円押し上げた。全体に占める寄与度は56%に達する。

米国でフィラデルフィア半導体株指数(SOX)が3%高となったことを好感した買いが集まった。米アップルが3%高になったことを受け、太陽誘電など電子部品関連も高かった。円安進行を背景にした外需関連の買いも後押しした。

ピクテ・ジャパンの糸島孝俊ストラテジストは「18日ごろから、物色動向などをみても前日の米国株の影響を受ける、普段通りの動きに戻ってきた」と話す。ただ、19日の日経平均の上昇率はダウ工業株30種平均やハイテク株を多く組み入れるナスダック総合株価指数を上回る。海外投資家を中心とした日本株買いの意欲は高い状況が続いている。

GCIアセット・マネジメント香港の山本匡チーフ・インベストメント・オフィサー(CIO)は「最近、周辺でこれまで中国株を運用していた運用者が日本株運用に転換するのを見る。日本市場で上値を買えるような新しいプレーヤーになっている」と日本株の強さの要因を話す。

市場参加者が注視したのは19日の終値が3万6000円を超えるかどうかだ。12日に算出された特別清算指数(SQ)値の3万6025円はまだ終値ベースで超えられておらず、今週に入って3万6000円を手前に足踏みが続く。この「幻のSQ」を終値で超えられれば、チャート上に「買いサイン」が点灯するとの見方がある。

「今の市場参加者には市場のモメンタムを見る層が多い。3万6000円を超えて引ければ上向きのモメンタムが出るとも言える」とCLSA証券の釜井毅生エグゼキューション・サービス統括本部長は話す。終値ベースでなかなか超えられなかった2023年7月の高値を超えてからのようなラリーがまた起きる可能性もあるという。

節目を超えれば、日本株には円安も支援材料になる。トヨタ自動車が一時2%高と上場来高値を更新するなど、円安恩恵銘柄への資金流入も多い。山本氏は「2024年に入ってからの日本株上昇は為替で説明がつく」とも話す。円安が進行している中で、日本株には勢いがつきやすい状況だ。

一方で、3万6000円近辺では利益確定の売りに押される動きが見える。年初からの上昇で、年金のリバランス売りなども出やすい状況だ。国内勢の売りをこなす勢いが続くかは、海外勢の新規マネーの流入の勢いにかかっている。

(小河愛実)

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