【ニューヨーク=竹内弘文】JPモルガン・チェースやバンク・オブ・アメリカ(バンカメ)など大手銀行11行は16日、合同で中堅銀行ファースト・リパブリック・バンクに対して合計300億ドル(約4兆円)を預金すると発表した。預金流出が加速する同行の資金繰りを支える。実質的な信用補完の側面もある。(関連記事総合面に)
JPモルガンとバンカメ、シティグループ、ウェルズ・ファーゴの大手商銀4行は50億ドルずつ、ゴールドマン・サックスとモルガン・スタンレーは25億ドルずつ預金する。USバンコープやPNCフィナンシャル・サービシズといった準大手行や、バンク・オブ・ニューヨーク・メロンやステート・ストリートのような資産管理業務に強い銀行も支援策に加わった。
米財務省と米連邦準備理事会(FRB)、米連邦預金保険公社(FDIC)、米通貨監督庁(OCC)は共同声明を出し、11行による支援策を「銀行システムの耐久力を示すものだ」と歓迎した。
シリコンバレーバンク(SVB)の経営破綻を受けて、預金保険制度で保護されない預金を多く抱えるファースト・リパブリックの資金繰りに対する不安が高まった。ファースト・リパブリックの株価は2月末から3月15日までに75%下落。大手格付け会社S&Pグローバル・レーティングは「預金流出リスクが高まっている」として同行の信用格付けを一気に「投機的等級」に引き下げた。