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日銀、長短金利操作を修正 長期金利0.5%超容認

日経新聞より引用

日銀は28日に開いた金融政策決定会合で長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正を決めた。長期金利の上限は0.5%を「めど」としたうえで、市場動向に応じて0.5%を一定程度超えることを容認する。国債の大量購入で金利を抑え込む政策運営を柔軟化し、市場のゆがみを和らげる狙いがある。

マイナス金利政策や上場投資信託(ETF)買い入れといった措置は現状通り維持した。植田和男総裁は28日午後に記者会見し、決定内容を説明する。

修正措置は28日から運用する。10年物国債を0.5%の利回りで無制限に毎営業日購入する「連続指し値オペ」の利回りを1%に引き上げる措置も決めた。長期金利が上限の0.5%を緩やかに突破するといったケースは容認しつつも、1%超えを目指すような急激な金利上昇は指し値オペなどで抑え込む意図とみられる。

日銀は2022年12月に市場機能の改善を目的に、長期金利の上限を従来の0.25%程度から0.5%程度に拡大した。もともと上限の0.5%を超える前に国債を大量に買い入れて金利を抑え込んでいたが、新たな案は市場動向によっては0.5%を超えることを認め、国債購入が過度に膨らまないようにする。

運用を柔軟化すれば金利が日銀の想定を超えて上昇し、結果として大量の国債買い入れを迫られるリスクは残る。決定会合では修正案に「企業の稼ぐ力が高まったことを確認したうえで行う方が望ましい」として中村豊明審議委員が反対票を投じた。

日銀が修正に踏み切った背景には長期化する物価高がある。6月の消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)は前年同月比3.3%上昇した。上昇率は1年以上にわたって政府・日銀が目標とする2%を上回っている。

円安は物価高を助長している側面もある。27日まで外国為替市場では1㌦=140円台の円安が続いていた。円安は輸入物価の上昇を通じて、物価高を長引かせる要因となっており、政府内では「140円台の円安は行き過ぎだ」との声も出ていた。

同日公表した「経済・物価情勢の展望(展望リポート)」で、日銀は23年度の消費者物価指数(生鮮食品を除く=コアCPI)の前年度比上昇率の見通しを2.5%に上方修正した。24年度は1.9%、25年度が1.6%で、数値上は政府・日銀が物価安定の目標とする2%付近が続く見込み。企業がコスト高を価格に転嫁する動きが続く。

日銀の想定以上に物価の上昇が長期化すれば、出口を見据えた投資家の日本国債売りが激しさを増し、市場のゆがみが拡大する懸念がある。物価の継続的な上昇に確信が持てるまで現状の緩和の枠組みを維持するには、一定程度YCCを柔軟にする必要があると判断したもようだ。

日銀は公表文で物価2%目標の「持続的・安定的な実現を見通せる状況には至っておらず、粘り強く金融緩和を継続する必要がある」とし、「経済・物価を巡る不確実性が極めて高い」と記載した。今回もマイナス金利といった大規模緩和の大枠は維持しており、引き続き賃上げや経済・物価の動向を見極めた上で金融政策の出口のタイミングを探る考えだ。

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