投資情報ななめ読み

円売りに転じるFX投資家 日銀マイナス金利解除で順張り

日経新聞より引用

日銀がマイナス金利の解除を決めた19日、東京外国為替市場では円安が進行し、一時1ドル=150円台半ばと2週間ぶりの水準をつけた。「利上げは円高」というセオリーに反して円安が進んだことで、外国為替証拠金取引(FX)を手がける個人投資家も同日、円売りに傾斜した。個人は目先の円安進行を信じ、さらに円売り・ドル買いポジションを高める可能性がある。

「目先は円を買う理由はなくなったと実感した」。神奈川県在住の40代男性は話す。日銀会合前の円相場は方向感がなかったため、会合後にエントリーするタイミングをうかがっていたという。日銀の政策修正は円高で反応するとみていたが、想定外の円安進行をうけ「今後は順張りの円売り・ドル買いポジションを新たに構築するつもりだ」と話す。

日銀は19日の金融政策決定会合でマイナス金利政策の解除を決めた。解除は引き締め方向となり円高要因だが、外国為替市場では会合前にすでに織り込みが進んでいた。結果発表直後には30銭ほど円高に振れたものの、その後は150円40銭台まで1円近く円安が進んだ。

日銀による追加利上げは当面ないとの見方が背景にある。日銀の植田和男総裁は会見後の記者会見でマイナス金利解除後も緩和的な金融環境を維持することを強調した。根強い米インフレを背景に米連邦準備理事会(FRB)の利下げ観測が後退していることも円安・ドル高圧力となっている。

日銀会合前まではドル円のポジションをとらず、円買いのタイミングを待ち構える投資家が多かった。QUICKが算出した店頭FX5社の建玉状況によると、円に対するドル買い比率は15日時点で48.7%。持ち高を中立に近づける動きが目立ち、売りと買いが拮抗していた。

会合後の想定外の円安進行をうけて、円安進行を確信した投資家が円売りに動き始めている。三重県在住の30代男性は「日銀会合の結果発表後すぐにドル買い・円売りポジションを構築した」と打ち明ける。会合前の18日までは「怖くてポジションを持てなかった」(同氏)。日銀がマイナス金利を解除した今は、緩和的な金融環境を背景に円安基調が続くとみている。

一方、日銀の政策修正による円高を見込んで先回りで円を買っていた個人は、身動きがとれなくなっている。「損切りしたいが、円高になる状況が全く見えない」。FXを手がけるJINさん(ハンドルネーム)はこう嘆く。日米の金融政策転換を見越してドル売り・円買いポジションを構築していたが、想定外の円安進行で含み損がかなり膨らんでいるという。

低金利通貨の円を売って高金利のドルを買えば、日米の短期金利差で決まる「スワップポイント」が得られる。日米の短期金利差が開いた状態は続いており、ドル買い・円売りによるスワップポイントは高い水準を維持したままだ。反対に、ドル売り・円買いのポジションではスワップポイントの支払いが生じる。「将来的な円高を見込んでいても、ドル売り・円買いのポジションは取りづらい」(外為どっとコム総合研究所の神田卓也調査部長)

円相場を巡る次の焦点は、19〜20日に開かれる米連邦公開市場委員会(FOMC)だ。政策金利見通し(ドットチャート)で年内の利下げ回数が前回の3回から減るようなら再び円安傾向が強まる可能性がある。様子見姿勢を決め込んでいた日本の個人が本格的に円売りに転換すれば、円安進行が加速する場面もある。

短期トレード向きの「DMM FX」

-投資情報ななめ読み