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円、一時139円台に下落 日銀のYCC7月修正観測後退で

日経新聞より引用

19日の外国為替市場で円が対ドルで下落し、一時1ドル=139円台をつけた。18日にインドで開かれた20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議後の記者会見で日銀の植田和男総裁が長短金利操作の早期修正に否定的な姿勢を示したと市場が受け止めたためだ。国内債券市場でも、金利に低下(価格は上昇)圧力がかかっている。

18日夕に138円台前半だった円相場は19日、一時1ドル=139円台半ばの円安水準をつけた。一日で1円ほど円安・ドル高方向に振れたことになる。

国内債券市場では、新発5年債利回りが一時的に前日比0.02%低い0.11%をつけ、長期金利の指標となる新発10年債利回りが同0.02%低い0.46%まで下がる場面もあった。超長期債でも傾向は同様で、国内金利全体に低下圧力がかかっている。

きっかけは、日銀の植田総裁の発言だ。18日までインドで開かれたG20閉幕後、植田総裁は「(持続的・安定的な2%の物価目標達成には)まだ距離があるという認識がこれまであった」と述べた上で、「前提が変わらない限り、全体のストーリーは不変だ」と語った。

微妙な言い回しだが、クレディ・アグリコル銀行の斎藤裕司シニア・アドバイザーは「16日の主要7カ国(G7)財務相・中銀総裁会議でも同じような発言をしており、修正期待を打ち消しにきている」と指摘する。

市場も日銀が27〜28日の金融政策決定会合での長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の修正は遠のいたと受け止め、YCC修正を見込んだ取引は一服。円安や金利低下につながった。

市場参加者の中では、日銀のYCC修正時期が当初の予想より後にずれるとの見方も目立ち始めた。QUICKが発表した7月の外国為替市場調査によると、回答者の7割が7月会合での「修正無し」を予想する。

バークレイズ証券は13日に発表したリポートで「(先行きの物価上昇に関して)現段階では依然、不確実性が大きい」として、これまで「7月」と予想してきた日銀のYCC修正時期を「10月」に変えた。BofA証券も10日のリポートで、同様に「7月」から「10月」に変更した。

もっとも、植田氏の発言に対する市場の受け止めを「過剰」と解釈する向きもある。みずほ証券の丹治倫敦チーフ債券ストラテジストは「発言に何も目新しい材料はない。市場が勝手に盛り上がっているだけ」と語る。金融政策決定会合に向けて「各材料に一喜一憂状態を続ける」(丹治氏)展開が続きそうだ。

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