投資情報ななめ読み

中国景況感、2月も改善

製造業指数「50」超え続く 回復、業種でばらつき

日経新聞より引用

【北京=川手伊織】中国国家統計局が1日発表した2023年2月の製造業購買担当者景気指数(PMI)は前月より2.5ポイント高い52.6だった。2カ月連続で改善し、好調・不調の境目である50を上回った。春節(旧正月)休暇で帰省していた労働者が工場に戻り、生産活動が持ち直した。ただ景気回復ペースは業種ごとにばらつきもみられる。

PMIは製造業3200社を対象に調べる。新規受注や生産、従業員数など項目ごとに調査する。50を上回れば前月より拡大、下回れば縮小を示す。2月の水準は、12年4月以来10年10カ月ぶりの高水準となった。

内訳をみると、生産が56.7だった。6.9ポイント上昇し、22年9月以来の50超えとなった。新規受注は前月より3.2ポイント改善し54.1だった。雇用を示す指数も21年3月以来の50超えとなった。春節休暇が終わり、労働者が職場に戻ってきた影響が出たとみられる。

PMIの構成要素ではないが、海外からの新規受注は6.3ポイントの大幅改善で、水準も52.4と21年4月以来の50超えとなった。

企業の規模別では大企業、中堅企業、中小零細企業のいずれも前月から改善し、節目の50を上回った。中小零細企業が50を上回るのは、21年4月以来だ。

同時に発表した2月の非製造業のビジネス活動指数は56.3だった。1月から1.9ポイント上昇し2カ月連続で節目の50を上回った。

建設業が昨年9月以来の高水準となる60.2を記録したほか、サービス業も55.6と、20年11月以来の高さとなった。運輸や宿泊などの景況感が大きく改善した。

中国政府は1月初めに新型コロナウイルスの封じ込めを狙った「ゼロコロナ」政策を撤廃した。大都市での感染拡大も落ち着いたうえ、春節休暇も終わり2月は経済活動が正常化に向かい、前月と比べた景況感が大幅に改善したとみられる。

ただ景気が持続的に持ち直していくには、安定した雇用回復などが不可欠だ。旅行や外食などサービス業は比較的堅調だが、耐久消費財などには弱さも残る。

新築マンションの販売も2月に回復の兆しを見せたが、政府の規制強化をきっかけに市況が冷え込む前の水準までは遠い。

春節に合わせて鉄道などが40日間の特別対応を取る「春運」(1月7日~2月15日)の合計旅客数は延べ約16億人だった。1月6日時点の予測より5億人少なかった。人の移動がコロナ前に戻るのもなお時間がかかりそうだ。

短期トレード向きの「DMM FX」

-投資情報ななめ読み