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経常赤字最大、円安が重荷

日経新聞より引用

海外との貿易や投資の取引状況を表す経常収支の下押し圧力が鮮明になった。財務省が8日公表した1月の国際収支統計(速報)によると、経常収支は1兆9766億円の赤字で過去最大となった。原油価格の上昇率は鈍化傾向にある。長引く円安が輸入額を膨らませ、経常赤字の拡大につながった。

経常赤字は22年10月以来、3カ月ぶり。赤字額は前年同月の3.4倍に膨らんだ。貿易収支の赤字は過去最大の3兆1818億円で、赤字幅は前年同月から1.6兆円拡大した。投資収益や旅行収支の黒字幅拡大を打ち消す形となった。

輸入額は10兆45億円と前年同月比で22.3%増えた。ロシアのウクライナ侵攻で加速した原油価格の上昇率は足元では縮小しつつある。

1月の対ドルの円相場の平均は1ドル=130円20銭。前年同月比でなお13.4%の円安水準にある。

輸出額は6兆8227億円と3.4%の増加にとどまった。1月は例年、国内工場の正月休みで輸出が伸びにくい。今年は中国の春節(旧正月)の時期が1月22日と22年より早まり、対中輸出が減った。

最近は経常収支が黒字でも、黒字額が1兆円に届かない月が目立つ。22年12月の黒字額は334億円だった。22年4月~23年1月の累計では4.5兆円の黒字にとどまる。年度通算で20.2兆円の黒字だった21年度から急減している。

長期の傾向が分かりやすい季節調整値では、1月の経常収支は2163億円の黒字だった。前月比、前年同月比のいずれも8割減となる。春節などの特殊要因を除いても、円安主導の下落基調が続いている。

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