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FRB、利上げ継続議論 FOMC21~22日

据え置きの見方も、市場予想は拮抗

日経新聞より引用

【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は21~22日に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、利上げの継続を議論する。市場では政策金利をいったん据え置くとの見方と0.25%の利上げを続けるとの見方が拮抗する。19日にスイスの金融大手クレディ・スイス・グループの買収が決まるなど、日々状況が変わる金融不安の状況に当局は神経をとがらせている。

FRBは22年3月にゼロ金利政策を解除して以降、8会合連続で計4.5%の利上げを実施してきた。次回会合で0.25%の利上げを実施すれば政策金利の上限は15年半ぶりに5%に到達する。

高インフレの沈静化が見通せずに急ピッチの利上げは長期化している。金融機関が保有する国債などの価値は低下しており、経営難を警戒した利用者による預金流出が銀行経営のリスクになっている。

パウエル議長は7日の議会証言では今後のデータ次第で「利上げのペースを加速する用意がある」と踏み込んだが、銀行経営を一段と苦境に追いやる0.5%の大幅利上げはもはや想定されていない。米金利先物の値動きから金融政策を予想する「Fedウオッチ」によると、据え置きが5割強で0.25%の利上げ予想は5割弱だ。

金利の動きが荒くなって買い手が細るなか、FRBが量的引き締め(QT)を一時的に弱めるという観測も一部で浮上している。保有する国債や住宅ローン担保証券(MBS)についてFRBはこれまで一部の償還分を再投資をせずに残高を減らしてきたが、金融市場の不安に対して何らかの対応を打ち出す可能性がある。

これまでのところ、FRBは高インフレを抑えるための金融引き締めと、金融システムを安定させる措置を切り分けて発信している。金融大手UBSによるクレディ・スイスの買収を歓迎する19日の声明のなかで「米銀の資本と流動性は強固であり、米国の金融システムは強靱(きょうじん)だ」と指摘。同日には6中央銀行で協調してドル供給を拡充する取り組みも公表した。

今回の会合ではFOMC参加者による経済見通しも公表される。従来は23年末の政策金利予想が利上げの到達点を示すとされてきたが、金融先物市場ではFRBが年央から大幅な利下げに踏み出すという予想が強まっている。パウエル氏が記者会見で年内の利下げ転換を否定しなかった場合は、政策金利がどこまで上がるとみているのかが曖昧になる可能性もある。

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