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日経平均3万3000円視野 米雇用鈍化、株価回復の支えに

日経新聞より引用

8月の米雇用統計発表を受けた4日以降の外国為替市場では、円安・ドル高基調が続きそうだ。円安が続けば輸出企業を中心に業績の上昇修正期待も高まりやすい。日経平均株価は3万3000円台回復を視野に入れる。

1日公表の米雇用統計では労働市場の緩和が確認された。賃金・物価高の鈍化が続けば、米連邦準備理事会(FRB)は利上げを止めやすくなる。景気軟着陸(ソフトランディング)期待を高める結果となり、ダウ工業株30種平均は前日比プラスで終えた。週間では7月中旬以来の上昇率となった。

円相場は一時1ドル=144円40銭台と発表前に比べ70銭ほど円高が進んだ。しかしすぐに円安方向に戻り、146円台で週内の取引を終えた。円を調達してきてドルを買う取引の利益に魅力を感じる投資家が多い。日銀のマイナス金利政策で円調達コストが安いためだ。

雇用軟化はFRBの金融引き締め長期化への警戒を和らげる。モルガン・スタンレーMUFG証券の杉崎弘一氏は「投資家がリスクを取る姿勢を強めると、円を買う動きは出にくい」と話す。

米国株に連動しやすい日経平均は直近1週間で3%上昇し、1カ月ぶりの高値を付けた。日本株で時価総額最大のトヨタ自動車は上場来高値圏にある。3月期決算企業は10月に7〜9月期決算の発表を控える。円安が続けば輸出企業の業績見通し上方修正や、株主還元の拡大が期待できる。

フィデリティ投信の重見吉徳氏は雇用統計の結果を踏まえ「株価持ち直しは続きそうだ」と指摘する。日経平均は年内にも7月3日につけたバブル崩壊後の高値(3万3753円)を更新する可能性もあると話す。

リスクは中国経済だ。日本株は「世界の景気敏感株」(ピクテ・ジャパンの糸島孝俊氏)で、中国景気の下振れは株価の下落につながりやすい。

中国景気が想定を超えて悪化すると、投資家がリスク回避を強め円高が進む可能性もある。「追加利上げの可能性が低くなったにもかかわらずドルが上がりすぎている」(みずほ証券の山本雅文氏)との声もあり、揺り戻しには注意が必要だ。

(佐藤俊簡、今堀祥和、南泰葉)

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