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日銀1月会合、「政策維持」でほぼ一致 ウオッチャー調査

日経新聞より引用

日銀は22〜23日に金融政策決定会合を開く。金融政策を分析する「日銀ウオッチャー」28人を対象に日経QUICKニュース社(NQN)が実施したアンケート調査によると、今回の会合で日銀は大規模な金融緩和策の維持を決めるとの予想でほぼ一致した。マイナス金利政策を解除する時期については4〜6月との回答が増えている。

政策維持、賃上げの見極め続く

調査は12〜16日に実施し、日銀が1月の会合で政策を「現状維持」すると予想したのは28人中27人だった。焦点は今春の賃上げ動向で、BNPパリバ証券の河野龍太郎チーフエコノミストは「1月の支店長会議で今年も賃上げの動きが広がっていることを認めつつ、その程度については不確実性が高いとの見方が示されていた」と指摘。政策正常化に至るには賃金の見極めに時間を要するとみる。

現時点では賃上げに関する情報が不足しているとの指摘は多い。決定会合直後の24日には経団連の労使フォーラムが予定されており「春季労使交渉(春闘)が事実上開始される直前、賃上げ動向について日銀が決め打ちして動くことにはやはり無理がある」(みずほ証券の上野泰也チーフマーケットエコノミスト)という。

1日発生した能登半島地震の影響も全容はわかっておらず、三井住友銀行の鈴木浩史チーフ・為替ストラテジストは1月の会合では「地域金融の流動性支援策などが発表される可能性がある」とみる。一方、調査で「修正あり」と回答した1人は金融政策の先行き指針である「フォワードガイダンス」の見直しだった。

マイナス金利解除時期は後ずれ

調査では前回12月に比べ、マイナス金利政策の解除時期が後ずれするとの予想が増えていることも明らかになった。マイナス金利の解除時期について「4〜6月」との回答が23人中18人にのぼり、前回調査(24人中12人)から増加。「1〜3月」の予想は2人と前回(6人)から大きく減った。

野村証券の森田京平チーフエコノミストは「(集中回答など)3月の春闘関係イベントで企業の賃金設定、(4月初旬に公表される)3月の日銀の企業短期経済観測調査(短観)で企業の価格設定、4月中旬の日銀支店長会議で中小企業の価格・賃金設定を確認できる」と説明。これらを踏まえて賃金・物価の好循環に一定の進捗が認められれば、日銀はマイナス金利を解除するとみる。

年内に「YCC撤廃」「オーバーシュート型コミットメント見直し」も

24年末までに日銀が何らかの政策修正をするとの予想は28人中25人と全体の約9割を占める。修正内容は「マイナス金利政策の解除」が23人(複数回答可)と最も多い。「長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)の撤廃」は21人で「YCCは既に形骸化し、予想物価上昇率が高まったこともあり撤廃しても実質金利を含めて誘導は可能」(農林中金総研の南武志理事研究員)とみるためだ。

物価上昇率が安定的に2%を超えるまでマネタリーベース(資金供給量)の拡大方針を維持する「オーバーシュート型コミットメント」の見直しも21人が予想する。伊藤忠総研の武田淳チーフエコノミストはコミットメントがデフレ下を想定したもので「デフレ脱却後にも必要かどうか議論の余地あり」とみていた。

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