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FRB、景気軟着陸に自信 0.25%利上げで22年ぶり高金利

物価抑制と雇用両立 銀行にリスク、資本強化へ

日経新聞より引用

米連邦準備理事会(FRB)は26日、0.25%の利上げを実施し、政策金利を22年ぶりの水準まで引き上げた。記者会見したパウエル議長は「FRBのスタッフはもはや景気後退を予測していない」と述べ、経済の軟着陸(ソフトランディング)に自信を示した。

「多くの失業をもたらすような深刻な景気後退を招くことなく、インフレ率を目標値まで引き下げることができる」。パウエル氏は会見でこう力説した。

2022年3月のゼロ金利解除から16カ月間で計5.25%という利上げ幅は1980年代以降で最速となる。22年6月から続けている量的引き締め(QT)も前回(17~19年)の倍にあたる。

当初は40年ぶりの高インフレを封じ込めるための荒療治が新型コロナウイルス禍から回復したばかりの経済に急ブレーキをかけると多くのエコノミストが懸念した。

蓋を開ければ直近6月の失業率は利上げ開始時の22年3月と同じ3.6%。半世紀ぶりの記録に近い低水準で安定している。強い雇用は国内総生産(GDP)の7割を占める個人消費を下支えしてきた。

6月の消費者物価上昇率は3.0%と1年前の9.1%から急速に鈍った。市場は早くも「今回が最後の利上げ」(米ゴールドマン・サックス)と終結を見込む。

ただパウエル氏は追加利上げを排除しないと予防線を張った。「成長率の上昇はインフレ率の上昇につながる可能性がある。金融政策に適切な対応が必要になる」と指摘し、市場の過度な楽観論をけん制した。

慎重な物言いに徹したのは、次回の9月会合まで2カ月間もあるためだ。人手不足は今なお深刻で、インフレ指標も多くの予測を上回り続けてきた経緯がある。

米銀破綻の影響は落ち着きつつあるが、金融機関を巡る環境変化も指摘されている。米金融当局は27日、米銀に自己資本の上積みを求める規制強化案を公表した。これも景気に影響を及ぼすとの見方がある。

米連邦預金保険公社(FDIC)は資産規模1000億㌦(約14兆円)以上の大手・中堅銀行を対象に資本要件を引き上げると説明した。

3月以降、米中堅地銀が相次ぎ破綻したことを受け、銀行に損失を吸収する役割を持つ資本を充実させて金融システムの安定性を高める。

銀行側は規制強化でリスクを取りづらくなるとかねて主張してきた。融資の絞り込みも当局の想定より早く発生し、追加的な「引き締め」効果が年後半の米景気を冷やすリスクがある。

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