日経新聞ななめ読み

FRB、金利据え置き 年内追加利上げ見込む

日経新聞より引用

【ワシントン=高見浩輔】米連邦準備理事会(FRB)は20日開いた米連邦公開市場委員会(FOMC)で政策金利を2会合ぶりに据え置いた。同時に公表した参加者による経済見通しでは19人中12人が年内の追加利上げを予想。高インフレの沈静化について楽観視しない姿勢を明確にした。

政策金利の指標であるフェデラルファンド(FF)金利の誘導目標は5.25~5.50%のままだった。パウエル議長は利上げの終盤では慎重に金利水準を判断する考えを示しており、市場は今回については利上げの見送りを確実視していた。

焦点だった経済見通しでは過半数を占める12人が年内の残り2会合で1回の追加利上げを想定し利上げの「終結宣言」に慎重な姿勢が目立った。2023年末の政策金利見通しの中央値は5.6%と6月時点の前回見通しから据え置かれた。

会合後に記者会見したパウエル議長は「(政策金利が)適切な水準に達したという説得力のある証拠をみたい」と説明し、時間をかけて経済データを見極める考えを示した。「適切であればさらに利上げする用意がある」とも改めて明言した。

大幅な変更になったのが24年末の予想だ。中央値は5.1%と前回の4.6%から引き上げられた。前回見通しで計1%とみていた24年中の利下げ幅は0.5%に縮んだ。22年3月から1年半で計5.25%の利上げを実施したペースと比べると、利下げの想定は極めて緩やかだ。

背景には依然として強い米経済がある。FRBは声明文で景気認識を「堅調なペースで拡大している」と上方修正したうえで10~12月期の実質経済成長率(前年同期比)について予想の中央値を前回の1.0%から2.1%に切り上げた。労働市場はまだ長く続いた人手不足が緩和し始めた程度で、同時期の失業率の予想も4.1%から3.8%に低下した。

個人消費支出(PCE)物価指数の上昇率は23年末に3.3%、24年末時点でも2.5%と目標の2%を上回る見通しになっている。直近の23年7月は前年同月比で3.3%と22年6月の7.0%から落ち着いてきたが、高止まりのリスクはなおもくすぶる。

パウエル氏は失業率が低いままインフレ率が低下している足元の状況について歓迎したうえで「経済の軟着陸(ソフトランディング)は妥当な結果であり、道筋はある」と強調した。 

ただ今回の経済見通しは、歴史的な高インフレに対応するため22年ぶりの水準まで引き上げられた政策金利の正常化に時間がかかることを改めて示した。道のりが長ければその分、物価抑制を妨げるリスク要因も増えることになる。

足元の米経済には波乱要因が少なくない。ガソリン価格の上昇や学生ローンの返済再開は個人消費を押し下げる可能性がある。一方で自動車大手のストライキなど賃上げ圧力につながる動きもある。米連邦議会の混乱により10月から始まる新会計年度で予算執行ができなければ、政府機関が閉鎖に追い込まれる懸念もある。

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