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米株、再び「弱気相場ラリー」で終わるか(NY特急便)

日経新聞より引用

17日のダウ工業株30種平均は反発した。米連邦準備理事会(FRB)の利上げ継続観測を背景に朝方は売りが先行した。ただ、一時3カ月ぶりの水準に上昇した長期金利が下げに転じると、ディフェンシブ株を中心に買い直された。

昨秋以降のインフレ鈍化を受け「FRBは今春にも利上げを停止し、米景気後退は避けられる」との楽観論が年初からの株高を支えてきた。だが、そのシナリオは2月に入ってにわかに修正を迫られている。公表された1月の米経済指標がことごとく景気とインフレの強さを示したからだ。

「3月の米連邦公開市場委員会(FOMC)で利上げ幅を0.5%に広げる選択肢も排除しない」(セントルイス連銀のブラード総裁)。強い経済指標を受けて「タカ派」のFRB高官からは利上げ再加速を示唆する発言も相次いだ。

債券市場の反応は早かった。長期金利は2月2日の3.33%から17日は一時3.92%へと2週間で急上昇した。年後半にFRBが利下げに転換するとの観測は消え、市場が予想する利下げ開始時期は来年以降に先送りされた。

それに比べ意外なほど堅調なのが米株相場だ。S&P500種株価指数は2月に入って0.1%高とプラス圏にある。「景気自体はいいのだから米経済の軟着陸は可能」との期待が崩れていない。だが、債券相場との見合いでは違和感を持たざるを得ない面もある。

債券と比べた株式の割高度を測るのに使われるのが、PER(株価収益率)の逆数である株式益回りから長期金利を引いた利回り差だ。足元ではS&P500種ベースで1.6%台と16年ぶりの低さにある。債券との比較では株式の投資妙味はかなり乏しい。

年初からの株高を支えたのは誰だったのか。JPモルガンによると1月下旬以降、米株の売買高に占める個人投資家の比率は20%を超え、過去最高水準にあるという。同社のマルコ・コラノビッチ氏は「投資家の高揚感と貪欲が相場をけん引してきた。だが、債券市場とのズレが長続きするとは思えない」と指摘する。

もう1つ、相場が支えを失うと指摘するのはシティグループのマット・キング氏だ。今週、同氏が書いたリポートが市場で話題を呼んだ。「今年の株高は日本、欧州、中国の中央銀行による1兆ドル超の流動性供給が招いた」との分析だ。

昨秋以降の日銀の国債買い入れ、欧州中央銀行の政府預金の減少、中国人民銀行の国内銀行への資金供給が、FRBの金融引き締めを打ち消したという。キング氏は「大ざっぱな計算では株式相場を1割押し上げた」とみる。だが、足元では日欧中の一時的な「量的緩和」は弱まっている。

昨年の米株は上昇相場が続いたと思ったら、インフレやFRBの金融引き締め懸念で調整するベアマーケットラリー(弱気相場の中での一時的上昇)を繰り返した。今回もその轍(てつ)を踏むのか。

カギを握るのは2月以降の米経済指標だ。景気とインフレの強さが続くようなら利上げ停止どころではなくなる。FRBのパウエル議長がつい半月前に述べた「ディスインフレ(インフレ沈静化)のプロセスが始まった」との発言も修正を迫られかねない。

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