1)1月の米小売売上高は前月比3%増と市場予想(1.8%増)を大幅に上回った。
2)2月のニューヨーク連銀製造業景況指数はなおマイナス圏にとどまったものの、1月からは持ち直し、半年先の景況見通しは9カ月ぶりの高さになった。
3)全米住宅建設業協会(NAHB)が発表する業界の景況感も2月は市場予想を上回る改善を記録。
4)1月の鉱工業生産は強弱が入り交じる内容だったが、15日発表の経済指標は総じて米景気が再び加速しつつあることを示唆するものだった。
5)アトランタ連銀が各種統計から米国内総生産(GDP)の伸びを試算する「GDPナウ」をみると、15日時点の1〜3月期の実質成長率は2.4%と1週間前の予測から0.2ポイント引き上げられた。
6)金融引き締めを通じて成長率を2%弱とみられる潜在成長率より低く抑え、インフレ圧力を下げようとしている米連邦準備理事会(FRB)の望むような展開にはなっていない。
7)ドイツ銀行は1月の米雇用統計や消費者物価指数(CPI)が想定より強かったことなどを踏まえ、FRBが7月の会合まで残り4回の利上げを実施し、政策金利を5.5〜5.75%に引き上げるとの予想を示した。
8)どこまで利上げすれば、FRB高官が繰り返す「十分に引き締め的な水準」に達するのか。FRBも市場参加者もなお手探りだ。
9)利上げ長期化の観測が強まり、米金利が一段高を試すなかでも、株式市場ではリスクオン(選好)が続く。
10)23年初めの時点では、年前半の景気後退と年後半のFRBの利下げ転換を見越し、債券買いと株式の持ち高圧縮で構えていた投資家が多かった。
11)ところが米国内外の景気が想定よりも強いため、債券売りと株買いの動きが広がっているとの見立てだ。