投資情報ななめ読み

続くインフレ懸念

日経新聞より引用

インフレ懸念の後退で市場の不確実性が下がり、安全資産であるドルから新興国を含む株式などのリスク資産へと資金が移動する――。新型コロナウイルスショックやロシアによるウクライナ侵攻で痛手を負った世界経済にとって望ましいシナリオだが、実現するには大きなハードルがある。FRBによる完璧なかじ取りだ。

インフレの行方をどう見極めるか。早くも市場は揺れている。年初にインフレの早期収束を見込んでドル売りを先行させた市場参加者は、その後に発表された米国の想定外に強い賃金や物価の指標に混乱。ドル安シナリオの修正を迫られつつある。

FRBの利上げ局面が年半ばまで続けば、年後半に利下げへの転換を見込む市場のシナリオは崩れる。ドル金利が高止まりすれば、超低金利の円を借りてドル資産に投資する「円キャリー取引」が強まる可能性も否めない。FRBのパウエル議長も「(データ次第では)利上げペースを加速させる用意がある」と警戒する。世界経済に望ましいドル安は決して容易でない。

(編集委員 小栗太)

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