日銀が17日公表した2022年10~12月期の資金循環統計によると、日銀の国債保有割合が時価ベースで22年12月末に52%と過去最大になった。保有割合が5割を超えるのは2四半期連続。大規模な金融緩和を維持するもとで長期金利を低水準で抑えるための国債購入が膨らみ続けている。
日銀の保有割合は9月末の50.3%を超えて過去最大を更新した。国庫短期証券を除く時価ベースの国債発行額は12月末時点で1051兆3998億円で、日銀は546兆9301億円を保有する。
国庫短期証券を含めた場合では、日銀の保有割合は46.3%だった。次いで保険・年金が19.4%、海外が13.9%、銀行などの預金取り扱い機関が12.5%だった。
日銀は国債の売り圧力が強まる局面で金利の上昇を抑制するために国債を無制限に買い入れている。
日銀の保有割合が過半に達していることを背景に市場機能が低下しているとの懸念が生じ、12月の金融政策決定会合では長期金利の上限を0.5%程度に拡大した。
家計の金融資産は前年同期比で0.4%増の2023兆円と過去最高になった。冬季の賞与などが影響して増えた。内訳では現預金が最も高く2.1%増の1116兆円だった。現預金の残高も過去最高を更新した。次いで保険・年金・定型保証が536兆円だった。
民間企業(金融機関を除く)の借り入れ残高は、簿価ベースで4.1%増の488兆円だった。企業が持つ金融資産は3.5%増の1302兆円で過去最高を更新した。内訳では現預金が1.9%増の321兆円だったほか、海外への直接投資が17.4%増の192兆円だった。