株価、好業績支えに堅調さを保つ
今週の世界の株式相場は堅調に推移しそうだ。決算シーズンを経て企業業績の良好さが確認され、買いが入りやすくなっている。米株式市場ではダウ工業株30種平均が連日で最高値を更新して先週の取引を終えた。欧州などでも株高基調が目立つ。
米長期金利、小幅上昇か
米長期金利は小幅に上昇する展開となりそうだ。11日に発表された7月の米消費者物価指数(CPI)は前年同月比5.4%上昇と高止まりしている。米連邦準備理事会(FRB)による金融緩和縮小の前倒し観測も出ており、8月下旬の経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」を控え、米国債は上値の重い動きを見込む声が多い。
米長期金利は前週末、消費者心理の悪化を受けて1.3%を割り込んで取引を終えた。「期待インフレ率や現在の米経済の成長率を考えると、現状の米長期金利は低すぎる」と岡三証券の鈴木誠債券シニア・ストラテジストはみる。FRB幹部からも早期緩和縮小に前向きな発言が相次いでおり、米金利の低下は一服しそうだ。
日本の長期金利は低位安定となりそうだ。夏枯れムードも強まるなかで国内景気の先行きへの警戒感も根強く、国内債券市場は金利低下余地を探る展開となりそうだ。
円、下値余地探る
対ドルの円相場は下値余地を探るとの見方が多い。8月下旬に迫る「ジャクソンホール会議」を前に、FRBが緩和縮小を前倒しするとの観測がドル買いにつながるとの声が増えている。ただ「1ドル=110円台では個人投資家の円買いも入りそう」(上田ハーローの山内俊哉執行役員)との指摘もあり、下げ幅は限定されそうだ。
18日公表の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨(7月27~28日開催分)への注目が高い。FRBの緩和縮小が焦点となるなか、議事要旨でも緩和縮小に前向きとの見方が広がれば円安・ドル高が加速する可能性もありそうだ。
ユーロも対ドルで軟調に推移しそうだ。大規模な金融緩和を続けている欧州中央銀行(ECB)とFRBの金融政策の方向性の違いが意識されやすいことに加え、ドイツで9月に実施される総選挙を巡る不透明感もユーロの売り要因となっている。