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市場、日銀の国債減額観測強める 購入目標未達で

日経新聞より引用

金融市場が日銀による国債買い入れ減額の観測を強めている。日銀が23日実施した国債買い入れオペ(公開市場操作)で、残存期間が1年超3年以下の国債の応札額が通知額に届かない「札割れ」が起きたためだ。日銀が今後買い入れ額を減らすとの見方につながった。

同日日銀が通知した買い入れ予定額3750億円に対し、金融機関からの応札額は3564億円だった。札割れが起きたのは、日銀が異次元緩和を始めた2013年4月以降で初めて。

投資家間で短い年限の国債を保有する需要が強かったとみられる。「金利上昇を見込んで既に売却していたため、売る国債が残っていなかったのではないか」(みずほ証券の丹治倫敦氏)との指摘もあった。

札割れが伝わった23日午後の債券市場は、需給の引き締まりが意識され、国内債が買われた。2年物国債の利回りは前日比0.01%低い0.34%まで下がった。

一方、今後は金利の上昇圧力になる可能性がある。日銀が国債買い入れを予定の下限に近づけるとの臆測を呼ぶためだ。市場からは「次回は減額せざるを得ない」との声が相次いだ。SMBC日興証券の野地慎氏は「5年超10年以下などでも金利上昇圧力になる可能性がある」と指摘する。

日銀は24年3月の金融政策決定会合で、長期金利を抑える長短金利操作(イールドカーブ・コントロール、YCC)を撤廃し、「これまでとおおむね同程度」の国債買い入れを続ける方針に転換した。5月13日に5年超10年以下の買い入れを従来の4750億円から4250億円に減額したが、他の年限では据え置いていた。

買い入れの予定額はあらかじめ幅を持って示しており、その範囲内であれば決定会合での決定を経ずに調整できる。1年超3年以下は、現状予定額の下限である3000億円まで減らす余地はある。当面は6月以降の買い入れ計画でそれ以上の減額の方針が示されるかが焦点となる。

日銀は買い入れ予定額内の減額と、本格的な減額方針の決定を区別する姿勢をとる。市場では日銀が6月の決定会合で今後の減額方針を決めるとの観測も広がっている。円安傾向が続く為替市場も日銀に早期の利上げや国債買い入れ減額を迫る構図だ。日銀の一挙手一投足で市場の思惑が移ろう神経戦が続きそうだ。

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