フィボナッチ・ゾーン(週次)

USDJPY フィボナッチ・ゾーン振り返り(2025/05/05〜05/09)

5/5

欧州マーケットダイジェスト

(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=144.09円(5日15時時点比▲0.09円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.83円(▲0.58円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1299ドル(▲0.0034ドル)
FTSE100種総合株価指数:休場
ドイツ株式指数(DAX):23344.54(前営業日比△257.89)
10年物英国債利回り:休場
10年物独国債利回り:2.517%(▲0.016%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
4月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比     0.0%       0.0%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅かった。トランプ米大統領が海外製作の映画に100%の関税を課すと表明したことが嫌気されると、時間外のダウ先物が下落。欧州勢参入後もドル売りの流れが続いた。NY市場に入ってもドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
 ただ、一目均衡表転換線が位置する143.71円がサポートとして意識されると下げ渋った。23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、一時144.24円付近まで値を戻した。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。

・ユーロドルは上値が重かった。英国がアーリーメイバンクホリデーで休場のため、市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
 なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は弱含み。ドル絡みの取引が中心となったこともあり、しばらくは163円台前半でのもみ合いが続いたものの、24時過ぎには一時162.78円と日通し安値を更新した。ドル円の下げ渋りにつれた買いが入った半面、ユーロドルの失速に伴う売りが出た。

・ロンドン株式相場はアーリーメイバンクホリデーのため休場となった。

・フランクフルト株式相場は9日続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが入った。2日発表された米雇用統計を受けて米経済の下振れ懸念が後退したことも投資家心理の改善につながった。個別ではラインメタル(3.24%高)やコメルツ銀行(2.92%高)、ミュンヘン再保険(2.73%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場で独国債が上昇した。

NYマーケットダイジェスト

(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.70円(前営業日比▲1.26円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.61円(▲1.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1315ドル(△0.0018ドル)
ダウ工業株30種平均:41218.83ドル(▲98.60ドル)
ナスダック総合株価指数:17844.24(▲133.49)
10年物米国債利回り:4.34%(△0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=57.13ドル(▲1.16ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3322.3ドル(△79.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
4月米サービス部門PMI改定値
         50.8       51.4
4月米総合PMI改定値
         50.6       51.2
4月米ISM非製造業指数
         51.6       50.8

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続落。NY勢参入後もドル売りが継続し、前週末の安値143.73円を下抜けると一時143.54円まで値を下げた。
 ただ、23時発表の4月米ISM非製造業指数が51.6と予想の50.2を上回るとドルを買い戻す動きが活発化し、1時30分過ぎに144.24円付近まで下げ幅を縮めた。一時250ドル超下落したダウ平均が上げに転じたことも相場を下支えした。
 もっとも、ダウ平均が再び下げに転じるとドル円も頭が重くなった。5時過ぎには143.66円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは小幅ながら続伸。英国市場が休場で市場参加者が少ない中、全般ドル売りが先行。22時過ぎに一時1.1365ドルと日通し高値を付けた。ただ、前週末の高値1.1381ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。予想を上回る米ISM非製造業指数も相場の重しとなり、3時過ぎには1.1297ドル付近まで下押しした。
 もっとも、週明け早朝取引で付けた日通し安値1.1295ドルが目先サポートとして働くと1.13ドル台前半まで持ち直した。
 なお、ベッセント米財務長官は「関税、減税、規制緩和は長期投資を促進する鍵」「(中国との交渉について)今後数週間で進展が見られる可能性」「貿易に関するいくつかの取引成立が非常に近い」などと述べたと伝わったが、相場の反応は限られた。

・ユーロ円は続落。ドル円の下落につれた売りが出たほか、米国株安に伴う売りが出た。取引終了間際には一時162.58円と日通し安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は10日ぶりに反落。トランプ米大統領が「海外製作の映画に100%の関税を課す」と表明したことが嫌気されて売りが先行すると一時250ドル超下落した。ただ、4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると買い戻しが優勢となり、指数は上げに転じる場面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は3日ぶりに反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日続落。4月米ISM非製造業指数が予想を上回ると債券売りが優勢となった。

・原油先物相場は続落。OPECと非加盟国のサウジアラビアなどが3日に、6月に日量41万1000バレルの追加増産を行うことで合意したことが報じられたことで、55ドル台まで下がるなど大幅安で始まった。ただ、ドル安により割安感で買い戻しも入り、下げ幅を縮めて引けている。

・金先物相場は続伸。対円を中心にドル安が進行すると、ドルで取引される金先物はアジア時間から割安感で買いが集まった。9日続伸していたダウ平均やS&P500が反落して始まると、更に上値を広げる場面もあったが、ダウ平均がプラス圏を回復したこともあり伸び悩んだ。

5/6

欧州マーケットダイジェスト

(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=142.51円(6日15時時点比▲1.28円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.95円(▲0.79円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1364ドル(△0.0046ドル)
FTSE100種総合株価指数:8597.42(前営業日比△1.07)
ドイツ株式指数(DAX):23249.65(前営業日比▲94.89)
10年物英国債利回り:4.514%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.540%(△0.023%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
4月スイス失業率
        2.8%       2.9%
3月仏鉱工業生産
(前月比)   0.2%      1.0%・改
4月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
        47.3       46.8
4月独サービス部門PMI改定値
         49.0       48.8
4月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
         50.1       49.7
4月英サービス部門PMI改定値
         49.0       48.9
3月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比)  ▲1.6%       0.2%
(前年比)   1.9%       3.0%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。ドイツ連邦議会ではこの日、首相就任を目指していた「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が1回目の投票で選ばれない異例の事態となった。独政治の先行き不透明感が意識されて、一時1.1305ドル付近まで下押しする場面があった。
 ただ、2回目の投票でメルツ氏が首相に選出されたことが伝わると、独政局不安が後退しユーロ買いで反応。カナダドルやメキシコペソなど北米の2通貨に対してドル安が進んだ影響も受けて、一時1.1370ドルと日通し高値を更新した。

・カナダドルやメキシコペソは強含み。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」などと述べたことを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。

・ドル円は下げ渋り。米関税政策への警戒感が根強い中、欧州株相場や時間外のダウ先物が下落するとリスク・オフの円買い・ドル売りが先行。現物のダウ平均が一時450ドル超下落するなど、米国株相場が軟調に推移したことも相場の重しとなり、23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
 ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えした。

・ユーロ円は弱含み。ドル円の下落につれた円買い・ユーロ売りが先行すると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、ドル円の下げ渋りにつれた買いが入ると162.14円付近まで下げ幅を縮めた。

・ロンドン株式相場は小幅ながら16日続伸。7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)や8日の英中銀金融政策委員会(MPC)を控えて様子見ムードが強く、大きな方向感は出なかった。コンパス・グループやネクストなど一般消費財サービスが買われたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値上がりした。

・フランクフルト株式相場は10日ぶりに反落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではバイヤスドルフ(4.14%安)やザランド(3.35%安)、インフィニオン・テクノロジーズ(2.46%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は下落した。

NYマーケットダイジェスト

(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=142.45円(前営業日比▲1.25円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.98円(▲0.63円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1370ドル(△0.0055ドル)
ダウ工業株30種平均:40829.00ドル(▲389.83ドル)
ナスダック総合株価指数:17689.66(▲154.58)
10年物米国債利回り:4.29%(▲0.05%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.09ドル(△1.96ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3422.8ドル(△100.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
3月米貿易収支
    1405億ドルの赤字  1232億ドルの赤字・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日続落。米関税政策への警戒感が根強い中、ダウ平均が一時450ドル超下落するとリスク回避の円買い・ドル売りが先行。23時前に一時142.36円と日通し安値を更新した。
 ただ、4月30日の安値142.17円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ダウ平均が50ドル安程度まで下げ幅を縮めたことも相場を下支えし、一時143.03円付近まで値を戻した。
 もっとも、ダウ平均が再び弱含むとドル円の上値も重くなった。好調な米10年債入札をきっかけに米長期金利が低下に転じたことも相場の重しとなり、4時30分過ぎには142.36円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは3日続伸。ドイツ議会の第2回首相指名投票で「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)」のメルツ氏が首相に選出されると、独政局不安が後退しユーロ買いが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.1381ドルと日通し高値を更新した。
 主要通貨に対するドルの値動きを示すドルインデックスは一時99.17まで低下した。

・カナダドルやメキシコペソは上昇。トランプ米大統領がカーニー加首相との会談後に開いた記者会見で「米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の再交渉が始まる可能性」「カナダと友好関係を築くだろう」と発言したことなどを受けた。カナダドルは対米ドルで一時1.3751カナダドルまで買われ、昨年10月中旬以来の高値を更新。また、メキシコペソは対ドルで一時19.6219ペソまで買われた。

・ユーロ円は3日続落。ドル円の下落につれた売りが出ると、22時過ぎに一時161.60円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはドル相場となったことで162.00円を挟んだもみ合いに終始した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。トランプ米政権の高関税政策への懸念が根強い中、売りが優勢となった。明日7日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に持ち高調整目的の売りも出た。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。決算発表をきっかけに売りが強まったパランティア・テクノロジーズが12%超の急落となった。

・米国債券相場で長期ゾーンは4日ぶりに反発。しばらくはもみ合いの展開が続いていたが、10年債入札が「堅調」だったことが分かると買いが優勢となった。

・原油先物相場は3日ぶり反発。OPECプラスの追加増産で大幅に続落した後だったこともあり、本日は調整の買い戻しが優勢となった。また、多くの通貨でドル売りが進んだことで、ドルで取引される原油先物は割安感からも買いが集まりやすかった。

・金先物相場は大幅に3日続伸。遅々として進まない米中通商協議への不安感や、明日結果が発表されるFOMCを前にリスク回避の動きで金先物は3日続伸した。ドルが多くの通貨で軟調な動きをみせたことで、ドルで取引される金先物に割安感が出たことも相場を支えた。

5/7

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=143.05円(前営業日NY終値比△0.60円)
ユーロ円:1ユーロ=162.58円(△0.60円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1365ドル(▲0.0005ドル)
日経平均株価:36779.66円(前営業日比▲51.03円)
東証株価指数(TOPIX):2696.16(△8.38)
債券先物6月物:140.81円(▲0.38円)
新発10年物国債利回り:1.295%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は強含み。米中が週末に貿易問題を巡ってスイスで閣僚級会議を開くとの発表を受け、米中貿易摩擦が緩和に向かうとの期待から143.31円まで買いが先行した。その後は143.00円を挟んだ水準でのもみ合いとなっていたが、14時前には143.33円までわずかに本日高値を更新。もっとも、今晩の米連邦公開市場委員会(FOMC)を控えて積極的に上値を試す動きにはならなかった。

・ユーロ円も強含み。朝方からドル円の上昇につれて円売り・ユーロ買いが入った。その後もドル円の高止まりにくわえ、次第にユーロドルが下値を切り上げた影響から底堅い地合いを維持し、一時162.63円まで上値を伸ばした。

・ユーロドルは下げ渋り。朝方に米中通商協議への期待感からドル買いが強まった場面では1.1326ドルまで下振れた。ただ、1.13ドル台前半で下値の堅さを確認すると徐々に買い戻しが入り、15時過ぎには1.1373ドル前後まで下値を切り上げた。

・日経平均株価は8営業日ぶりに小反落。前日の米国株式相場が下落した影響を受けたほか、連休中の外国為替市場が円高方向に振れたことで輸出関連株に買いが入りづらかったことも相場を重くした。一方で、米中貿易摩擦の緩和期待が投資家心理の改善に寄与。結果的に指数は前週末終値を挟んだ水準で方向感が出にくかった。

・債券先物相場は5営業日ぶりに反落。米中貿易摩擦の緩和期待から安全資産とされる債券には売りが出た。また、日銀の国債買い入れオペでは超長期債の需給の緩みが示され、長期債にも売り圧力が波及した。

欧州マーケットダイジェスト

(7日終値:8日2時時点)
ドル・円相場:1ドル=143.41円(7日15時時点比△0.36円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.76円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1349ドル(▲0.0016ドル)
FTSE100種総合株価指数:8559.33(前営業日比▲38.09)
ドイツ株式指数(DAX):23115.96(前営業日比▲133.69)
10年物英国債利回り:4.460%(▲0.054%)
10年物独国債利回り:2.475%(▲0.065%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
3月独製造業新規受注
(前月比)   3.6%       0.0%
(前年比)   3.8%      ▲0.2%
4月スウェーデン消費者物価指数(CPI)
(前月比)   0.1%      ▲0.7%
(前年同月比) 0.3%       0.5%
CPIコア指数
(前月比)   0.2%      ▲0.5%
(前年同月比) 2.3%       2.3%
3月仏貿易収支
   62.48億ユーロの赤字 77.00億ユーロの赤字・改
3月仏経常収支
     14億ユーロの黒字 16億ユーロの赤字・改
4月英建設業購買担当者景気指数(PMI)
        46.6       46.4
3月ユーロ圏小売売上高
(前月比)   ▲0.1%     0.2%・改
(前年比)    1.5%     1.9%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は強含み。「ベッセント米財務長官とグリア米通商代表部(USTR)代表は今週末、中国と貿易問題を巡る協議を行う」と伝わると、米中の関税交渉が進展するとの期待が高まった。時間外のダウ先物の上昇を背景に、投資家のリスク志向が改善すると円売り・ドル買いがじわりと強まった。1時30分前には一時143.59円と日通し安値を更新した。
 ただ、本日の米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に様子見ムードも強く、一本調子で上昇する展開にはならなかった。

・ユーロドルは小安い。米中の貿易協議進展への期待を背景にユーロ売り・ドル買いが出ると一時1.1337ドル付近まで値を下げた。ただ、東京時間に付けた日通し安値1.1326ドルが目先サポートとして意識されたため、下押しは限定的だった。本日予定されている米重要イベントを控えて様子見ムードも広がっており、方向感が出にくい面もあった。

・ユーロ円は買い先行後、もみ合い。17時30分過ぎに一時163.02円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は162円台後半でのもみ合いに転じた。

・ロンドン株式相場は17日ぶりに反落。米関税政策を巡る先行き不透明感が根強い中、売りが優勢となった。前日までに16日続伸したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が売られたほか、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続落。米関税政策への警戒感が根強い中、売りが優勢となった。足もとで相場上昇が続いていただけに、利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではザルトリウス(3.46%安)やザランド(3.31%安)、シーメンス・エナジー(2.66%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は上昇した。

NYマーケットダイジェスト

(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=143.83円(前営業日比△1.38円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=162.55円(△0.57円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1301ドル(▲0.0069ドル)
ダウ工業株30種平均:41113.97ドル(△284.97ドル)
ナスダック総合株価指数:17738.16(△48.50)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.03%)
WTI原油先物6月限:1バレル=58.07ドル(▲1.02ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3391.9ドル(▲30.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比)    11.0%     ▲4.2%
米連邦公開市場委員会(FOMC)政策金利
    4.25-4.50%で据え置き 4.25-4.50%
3月米消費者信用残高
       101.7億ドル   ▲6.1億ドル・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反発。米連邦公開市場委員会(FOMC)結果公表を前に、しばらくは方向感に乏しい展開が続いた。ただ、FOMC公表直前にトランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と述べたと伝わると、株価の失速とともに売りが優勢となり一時142.91円付近まで下押しした。
 ただ、そのあとはドルを買い戻す動きが広がった。米連邦準備理事会(FRB)は今日まで開いたFOMCで市場予想通り政策金利を4.25-4.50%で据え置くことを決めたと発表。声明では「経済の見通しを巡る不確実性はさらに増した」と強調し、「失業率とインフレ率の上昇リスクが高まった」と指摘した。また、パウエルFRB議長は会見で「経済は依然として堅調」「当面は明確化を待つのに有利な立場にある」「金利調整を急ぐ必要がない」と述べ、改めて早期利下げに慎重な見方を示した。パウエル氏の発言をきっかけに全般ドル買いが活発化すると、5時30分前に一時144.00円と日通し高値を更新した。FOMCを無難に通過したことで、株価が持ち直したことも相場を下支えした。

・ユーロドルは4日ぶりに反落。米重要イベントを控えてしばらくはもみ合いの展開が続いていたが、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと全般ドル買いが優勢となった。5時30分前に一時1.1292ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は4日ぶりに反発。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開になった。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米中関税交渉が進展するとの期待が高まる中、買いが先行。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると伸び悩む場面もあったが、終盤持ち直した。FOMCを無難に通過したことで、買い安心感が広がった面もあった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発。「トランプ米大統領はバイデン政権時代のAI半導体輸出規制を撤廃する」との一部報道が伝わると買いが強まった。

・米国債券相場で長期ゾーンは上昇。「トランプ米大統領は中国を交渉の場に引き出すための関税引き下げに消極的」と伝わると買いが入った。ただ、パウエルFRB議長が早期利下げに慎重な姿勢を示すと売りが出たため上値は限定的だった。

・原油先物相場は反落。週末に行われるとされる米中通商協議への期待で強含む場面もあった。ただ、トランプ米大統領が「中国を交渉のテーブルにつかせるために関税を引き下げることはない」と発言したことや、この日発表された米エネルギー省(EIA)週間石油在庫のガソリン在庫が、予想外の積み増しとなったことで反落して引けた。

・金先物相場は4日ぶりに反落。連日大幅に続伸したこともあり、ポジション調整の売りが入り4日ぶりに反落した。為替市場でドルが小高く推移したことで、ドルで取引される金先物に割高感が出たことも上値を抑えた。

5/8

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=143.92円(前営業日NY終値比△0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=162.67円(△0.12円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1303ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:36928.63円(前営業日比△148.97円)
東証株価指数(TOPIX):2698.72(△2.56)
債券先物6月物:140.62円(▲0.19円)
新発10年物国債利回り:1.320%(△0.025%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。トランプ米大統領が「明日午前10時(日本時間8日23時)に大きな記者会見を行う」「非常に大きく、非常に高く評価されている国との主要な貿易協定について発表」などの見解を示すと買いが入ったが、反応は一時的だった。一部報道で「トランプ米大統領は8日に英国との貿易合意を発表する見通し」と報じると、対ポンドでドル売りが進んだ影響もあり、143.45円まで下押し。もっとも、一巡後は日経平均株価や米10年債利回りの上昇などを支えに再度買いが入り、昨日高値の144.00円を上抜けて144.35円まで値を上げた。

・ユーロドルは上値が重い。対ポンドを中心にドル売りが進んだ場面では1.1336ドルまで上昇する場面があったものの、その後は米長期金利の上昇などが重しとなって1.1281ドルまで押し戻された。ポンドドルも一時1.3356ドルまで上げた後、1.3285ドルまで失速している。

・ユーロ円はもみ合い。朝方からドル絡みの取引が中心となったこともあり、162円台後半でのレンジ内推移に終始した。

・日経平均株価は反発。前日の米国株高を受けて買いが先行した。その後は失速してマイナス圏に沈む場面も見られたが、米関税交渉を巡る期待感などから再びプラス圏に浮上。半導体関連株の上昇も指数を押し上げ、一時200円近く値を上げた。

・債券先物相場は続落。小幅安で始まった後、いったんはプラス圏に浮上する場面もあったが、10年物国債の入札後は再び売りに押された。この日実施された10年債入札では投資家からの需要の弱さが意識される低調な結果となった。

欧州マーケットダイジェスト

(8日終値:9日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.71円(8日15時時点比△1.79円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.58円(△0.91円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1226ドル(▲0.0077ドル)
FTSE100種総合株価指数:8531.61(前営業日比▲27.72)
ドイツ株式指数(DAX):23352.69(前営業日比△236.73)
10年物英国債利回り:4.546%(△0.086%)
10年物独国債利回り:2.535%(△0.060%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
3月独鉱工業生産
(前月比)   3.0%      ▲1.3%
(前年比)  ▲0.2%     ▲4.1%・改
3月独貿易収支
     211億ユーロの黒字 180億ユーロの黒字・改
スウェーデン中銀、政策金利
      2.25%で据え置き   2.25%
ノルウェー中銀、政策金利
      4.50%で据え置き   4.50%
英中銀(BOE)、政策金利
     4.25%に引き下げ    4.50%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円はしっかり。トランプ米大統領はこの日、英国との貿易協定で合意したと発表。米関税措置を巡る貿易相手国との交渉で初の合意が好感されると、ダウ平均は一時650ドル超上昇。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、一時145.95円まで値を上げた。市場では「米英貿易合意が今後の貿易相手国との協定について指針となる可能性があり、注目が集まっていた。週末にスイスで開かれる予定の米中貿易協議への期待も高まった」との声が聞かれた。なお、トランプ大統領は「交渉がうまくいけば、対中関税を引き下げる可能性」「今すぐ株を買った方がいい」とも発言した。
 また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利の上昇とともにドル買いが入りやすい面もあった。

・ポンドは荒い値動き。20時頃に一時1.3243ドルと日通し安値を付けたものの、23時過ぎには1.3345ドル付近まで上昇。ただ、2時30分前には1.3252ドル付近まで押し戻された。
 英中銀(BOE)はこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかに。市場が見込んでいたほど利下げに前向きではないことが意識されるとポンド買い・ドル売りが入った。ただ、NY市場では米金利上昇に伴うドル買いが優勢となったため、戻りは鈍かった。

・ユーロドルは頭が重かった。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を戻したものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。トランプ米大統領が英貿易合意を発表し、米株買いを促すと米国株相場の上昇とともにドル買いが活発化。米長期金利の上昇も相場の重しとなり、一時1.1213ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は堅調。米国株相場や日経平均先物の上昇を背景に投資家のリスク志向が改善すると円売り・ユーロ買いが優勢となった。一時163.73円と本日高値を更新した。
 なお、ナイト・セッションの日経平均先物は大証終値比530円高の3万7670円まで上昇した。

・ロンドン株式相場は続落。関税交渉の進展を期待する買いが先行したものの、英中銀金融政策委員会(MPC)結果公表後に失速した。
 BOEはこの日、市場予想通り0.25%の利下げを発表したものの、同時に公表された議事要旨で2人が据え置きを主張していたことが明らかになると、追加利下げ観測が後退。英長期金利の上昇とともに株売りが優勢となった。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反発。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(4.80%高)やザランド(4.49%高)、ラインメタル(4.13%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。BOEが利下げを慎重に進めるとの見方が英国債の売りを促した。

NYマーケットダイジェスト

(8日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.91円(前営業日比△2.08円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.82円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1228ドル(▲0.0073ドル)
ダウ工業株30種平均:41368.45ドル(△254.48ドル)
ナスダック総合株価指数:17928.14(△189.98)
10年物米国債利回り:4.38%(△0.11%)
WTI原油先物6月限:1バレル=59.91ドル(△1.84ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3306.0ドル(▲85.9ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
1-3月期米非農業部門労働生産性速報値
(前期比年率)▲0.8%      1.7%・改
1-3月期米単位労働コスト・速報値
(前期比年率) 5.7%      2.0%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
       22.8万件     24.1万件
3月米卸売売上高
(前月比)   0.6%      2.0%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続伸。米英両政府はこの日、貿易協定を締結することで合意したと発表。週末に米中高官による通商協議を控える中、中国との交渉進展への期待もあり、ダウ平均は一時650ドル超上昇した。米国株高によるリスク・オンの円売り・ドル買いが優勢になると、4時30分前に一時146.18円まで値を上げた。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言したことも株高とドル高につながった。
 また、前日にはパウエル米連邦準備理事会(FRB)議長が米連邦公開市場委員会(FOMC)後の記者会見で早期利下げに慎重な姿勢を示唆。米早期利下げ観測が後退する中、米長期金利が大幅に上昇したこともドル買いを促した。

・ユーロドルは続落。21時30分過ぎに一時1.1320ドル付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値1.1336ドルが目先レジスタンスとして意識されると失速した。米英間の貿易協定が締結したことや週末に予定されている米中通商交渉への期待から、米国株相場が上昇したこともドル買いを促した。米長期金利の大幅上昇も相場の重しとなり、4時30分過ぎには一時1.1212ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から米国株相場が上昇すると、投資家のリスク志向が改善し円売り・ユーロ買いが広がった。4時30分前には一時163.91円と本日高値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続伸。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から買いが先行。トランプ大統領が「今すぐ株を買った方がいい」と発言すると一時650ドル超上昇した。ただ、「トランプ米大統領は所得250万ドル以上の富裕層に増税を求める」との一部報道が伝わると、急速に伸び悩んだ。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは大幅反落。米英貿易協定が締結したことや米中関税交渉が進展するとの期待感から米国株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる米国債に売りが出た。30年債入札が「低調」と受け止められたことも相場の重し。

・原油先物相場は大幅反発。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から原油先物に買いが集まり大幅に反発した。

・金先物相場は大幅続落。米英間の貿易協定が締結したことや、週末に予定されている米中通商交渉への期待感から過度のリスク回避の動きが和らぎ金先物は大幅に続落した。また、対円でドルが2円50銭上昇するなど、ドルが多くの通貨でドル買いが進み、ドルで取引される金先物の割高感も上値を抑えた。

5/9

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=145.42円(前営業日NY終値比▲0.49円)
ユーロ円:1ユーロ=163.38円(▲0.44円)
ユーロドル:1ユーロ=1.1234ドル(△0.0006ドル)
日経平均株価:37503.33円(前営業日比△574.70円)
東証株価指数(TOPIX):2733.49(△34.77)
債券先物6月物:140.35円(▲0.27円)
新発10年物国債利回り:1.355%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)
       <発表値>  <前回発表値>
3月家計調査(消費支出)
前年同月比   2.1%     ▲0.5%
3月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年同月比   2.1%     2.7%・改
4月外貨準備高
       1兆2982億ドル 1兆2725億ドル
3月景気動向指数速報値
先行指数    107.7      107.9
一致指数    116.0      117.3

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。日経平均株価の上昇などを手掛かりにした買いが先行し、昨日高値の146.18円をわずかに上抜けて、一時146.19円まで値を上げた。ただ、その後は伸び悩む展開に。昨日からの大幅上昇の反動もあり、146円台で上値の重さを確認すると145.33円まで反落した。

・ユーロドルは売りが一服。ドル円に一時買い戻しが入った局面では1.1197ドルと4月11日以来の安値をつけたものの、その後は1.1242ドルまで反発。対円などでドルの売り戻しが進んだ影響を受けた。

・ユーロ円は上値が重い。朝方に163.94円の高値をつけた後はドル円の下げにつれて徐々に上値を切り下げた。日本株の上昇も支えとはならず、14時過ぎには163.31円まで失速した。

・日経平均株価は大幅続伸。米中関税交渉の進展期待などによって投資家心理が改善した。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことを手掛かりに自動車など輸出関連株が買われ、指数は一時630円近く上昇した。

・債券先物相場は3日続落。米関税交渉を巡る過度な警戒感が後退するなか、昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが出た。一時140円15銭まで下落する場面があった。

欧州マーケットダイジェスト

(9日終値:10日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=145.23円(9日15時時点比▲0.19円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.56円(△0.18円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1262ドル(△0.0028ドル)
FTSE100種総合株価指数:8554.80(前営業日比△23.19)
ドイツ株式指数(DAX):23499.32(前営業日比△146.63)
10年物英国債利回り:4.567%(△0.021%)
10年物独国債利回り:2.562%(△0.027%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
4月ノルウェー消費者物価指数(CPI)
(前月比)   0.7%      ▲0.7%
(前年比)   2.5%       2.6%
4月スイスSECO消費者信頼感指数
        ▲42.4      ▲34.8

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。東京午後からの持ち高調整と見られるドル売りの流れが欧州市場でも継続した。心理的節目の145.00円が目先サポートとして意識されると下げ渋る場面もあったが、トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」などと発言すると再び弱含む展開となった。NY市場に入ると、米長期金利の低下に伴う円買い・ドル売りが進行。高く始まった米国株相場が下げに転じたことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
 ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。2時30分前には145.35円付近まで下値を切り上げた。

・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行。23時30分前に一時1.1293ドルと日通し高値を更新した。ただ、売り一巡後は伸び悩む展開に。2時30分前には1.1253ドル付近まで上値を切り下げた。
 なお、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「現在の政策は中程度に引き締め的」「労働市場は安定しており、底堅い動きを見せている」と述べたほか、バーFRB理事は「様子見の姿勢が必要」「関税をめぐる不確実性がインフレ上昇と成長低下のリスクを高めていると言っても過言ではない」などと発言。また、ウィリアムズ米ニューヨーク連銀総裁は「政策は良い状況にあり、FRBには時間的余裕がある」「金融政策は現在、やや引き締め的である」などと話した。

・ユーロ円は小高い。20時30分前に一時163.16円と日通し安値を付けたものの、1時前には163.64円付近までじり高となった。ドル円の下落につれた売りが出た半面、ユーロドルの上昇につれた買いが入った。

・ロンドン株式相場は3日ぶりに反発。米関税を巡る協議が進展するとの期待が相場を押し上げた。市場では「米政権の関税政策が世界経済の大幅な下振れにつながるとの警戒感が薄れている」との声が聞かれた。

・フランクフルト株式相場は続伸。米関税政策を巡る協議が進展するとの期待から独株にも買いが広がった。個別ではコメルツ銀行(4.36%高)やバイエル(2.67%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(2.49%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は下落。貿易問題を巡る米国と相手国との協議が進展するとの期待から欧州株相場が上昇すると、相対的に安全資産とされる国債に売りが出た。

NYマーケットダイジェスト

(9日終値)
ドル・円相場:1ドル=145.37円(前営業日比▲0.54円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=163.53円(▲0.29円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.1250ドル(△0.0022ドル)
ダウ工業株30種平均:41249.38ドル(▲119.07ドル)
ナスダック総合株価指数:17928.92(△0.78)
10年物米国債利回り:4.38%(横ばい)
WTI原油先物6月限:1バレル=61.02ドル(△1.11ドル)
金先物6月限:1トロイオンス=3344.0ドル(△38.0ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。アジア時間に一時146.19円と4月10日以来約1カ月ぶりの高値を付けたあとだけに、海外市場では週末を控えたポジション調整目的の売りが出た。トランプ米大統領が「中国に対しては80%の関税が適切」と発言したことや、米10年債利回りが4.34%台まで低下したことも相場の重しとなり、23時30分前に一時144.83円と日通し安値を更新した。
 ただ、売りはあくまでポジション調整の域を出ず長続きしなかった。米10年債利回りが4.38%台まで上昇したことも相場を下支えし、5時30分過ぎには145.38円付近まで下値を切り上げた。市場では「日銀の早期利上げ観測は後退している一方、米早期利下げ観測は後退しており、円売り・ドル買いが出やすい地合いだ」との声も聞かれた。

・ユーロドルは3日ぶりに反発。米長期金利の低下を手掛かりにユーロ買い・ドル売りが先行すると一時1.1293ドルと日通し高値を付けたものの、米長期金利が上昇に転じると伸び悩んだ。取引終了間際には1.1247ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円は3日ぶりに反落。アジア市場では一時163.94円まで値を上げたものの、欧州市場では163.16円まで下落した。ただ、NY市場に限ればもみ合いの展開に。ドル円とユーロドルの値動きの影響を同時に受けたため、相場は大きな方向感が出なかった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反落。米関税を巡る協議が進展するとの期待から買いが先行したものの、10日から始まる米中貿易協議を前に持ち高調整目的の売りが出ると下げに転じた。
 一方、ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は小幅ながら3日続伸した。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。10日から始まる米中貿易協議を前に様子見ムードが強く、相場は方向感に乏しい展開となった。

・原油先物相場は続伸。週末に予定されている米中通商交渉で両国間の摩擦が緩和し、エネルギー需要が高まるとの期待感が引き続き下値を支えた。また、ドルがほぼ全面安となったことで、ドルで取引される原油先物は割安感からも買いが集まった。

・金先物相場は3日ぶりに反発。週末に予定されている米中通商交渉への期待感から、過度なリスク選好の動きが和らぎ金先物は弱含む場面があった。ただ、週末を前に為替市場でドル高の調整が入り、ドル売りが進むとドルで取引される金先物は割安感から3日ぶりに反発して引けた。

短期トレード向きの「DMM FX」

-フィボナッチ・ゾーン(週次)