
3/10
東京マーケットダイジェスト
ドル円:1ドル=147.52円(前営業日NY終値比▲0.52円)
ユーロ円:1ユーロ=159.85円(▲0.51円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0835ドル(△0.0002ドル)
日経平均株価:37028.27円(前営業日比△141.10円)
東証株価指数(TOPIX):2700.76(▲7.83)
債券先物3月物:138.22円(▲0.40円)
新発10年物国債利回り:1.575%(△0.055%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月毎月勤労統計(現金給与総額)
前年比 2.8% 4.4%・改
1月国際収支速報
経常収支(季節調整前)
2576億円の赤字 1兆773億円の黒字
経常収支(季節調整済)
1兆9375億円の黒字 2兆7316億円の黒字
貿易収支
2兆9379億円の赤字 623億円の黒字
1月景気動向指数速報値
先行指数 108.0 107.9・改
一致指数 116.2 116.1・改
2月景気ウオッチャー調査
現状判断指数 45.6 48.6
先行き判断指数 46.6 48.0
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。本邦長期金利の上昇や時間外のダウ先物の下落を手掛かりにした売りが先行し、一時147.09円まで値を下げた。もっとも、前週末安値の146.95円が目先のサポートとして意識されると売りも一服。米長期金利の低下幅縮小などを背景に下値を切り上げる展開となり、147.80円前後まで切り返した。
・ユーロドルは上値が重い。10時過ぎに1.0871ドルまで上昇する場面があったが、前週末高値の1.0889ドルには届かず、その後は1.0828ドルまで押し戻された。米金利の低下幅縮小に伴うドル買い戻しの影響を受けた。
・ユーロ円はさえない。ドル円の下落につれて早朝取引から上値を切り下げる展開となり、一時159.78円まで値を下げた。その後も安値圏で戻りの鈍い動きが続いた。
・日経平均株価は反発。小高く始まったものの、時間外の米株先物が下落するとつれて下げに転じた。ただ、その後は押し目買いが入ってプラス圏に浮上。総じてやや方向感を欠いた動きとなった。
・債券先物相場は反落。日銀の早期利上げ期待が売りを促す展開が続いた。5年物国債入札が低調な結果となったことも相場の重しとなった。なお、新発10年物国債利回りは2008年10月以来の水準となる1.575%まで上昇した。
欧州マーケットダイジェスト
(10日終値:11日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.18円(10日15時時点比▲0.34円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.39円(▲0.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0829ドル(▲0.0006ドル)
FTSE100種総合株価指数:8600.22(前営業日比▲79.66)
ドイツ株式指数(DAX):22620.95(▲387.99)
10年物英国債利回り:4.644%(△0.006%)
10年物独国債利回り:2.833%(▲0.003%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月独鉱工業生産
(前月比) 2.0% ▲1.5%・改
(前年比) ▲1.6% ▲2.2%・改
1月独貿易収支
160億ユーロの黒字 207億ユーロの黒字
2月スイスSECO消費者信頼感指数
▲33.6 ▲29.3
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。ドイツの環境政党「緑の党」がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことなどを受けて独DAXが一時2%超下げたほか、米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まるとダウ平均が860ドル超下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり一時146.64円と昨年10月4日以来の安値を更新した。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーが進み一時147.32円付近まで下げ幅を縮める場面があった。米長期金利が低下幅を縮めたことも相場を下支えした。
・ユーロドルは上値が重かった。欧州勢参入後はユーロ売り・ドル買いが優勢となり、18時前に一時1.0805ドルと日通し安値を付けた。ただ、節目の1.0800ドル手前で下値の堅さを確認すると、一転して買い戻しが優勢に。市場では「ユーロ圏の3月投資家信頼感指数が前月から改善していたこともユーロ買いを誘った」との声が聞かれ、19時30分前に1.0875ドルと日通し高値を更新した。
もっとも、ドイツの「緑の党」がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)などが提示した債務抑制策の緩和やインフラ投資へ向けた基金創設などの案について、「現状のままでは支持しない」との方針を示すとユーロ売りで反応。一時1.0813ドル付近まで押し戻された。
・代表的な暗号資産であるビットコイン(BTC)は軟調。対ドルでは節目の8万ドルを割り込み、一時7万8180ドル前後と昨年11月10日以来4カ月ぶりの安値を付けた。BTC円も1151万円前後まで大幅に下落し、昨年11月7日以来の安値を更新した。米ホワイトハウスで前週末開かれた暗号資産サミット後の失望売りが続いたほか、金融市場全般のリスク回避の動きが相場の重しとなった。
・ユーロ円はさえない。欧米株価の下落を背景にリスク回避の円買い・ユーロ売りが入ると、20時過ぎに一時158.90円と日通し安値を付けた。ただ、売り一巡後はドル円と同様に下げ渋った。
・ロンドン株式相場は5日続落。値ごろ感から買いが先行し反発して始まったものの、買い一巡後は次第に弱含み下げに転じた。ドイツや米国の株価指数が軟調に推移した影響を受けた。HSBCやロイズ・バンキング・グループなど金融株が売られたほか、ロールス・ロイス・ホールディングスやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は続落。米国の関税政策や経済の先行き不透明感を背景に米国株が下落すると、独株にも売りが波及した。緑の党がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことも投資家心理の悪化につながった。個別ではシーメンス・エナジー(9.16%安)やMTUエアロ・エンジンズ(6.29%安)、SAP(4.78%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
NYマーケットダイジェスト
(10日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.27円(前営業日比▲0.77円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.54円(▲0.82円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0834ドル(△0.0001ドル)
ダウ工業株30種平均:41911.71ドル(▲890.01ドル)
ナスダック総合株価指数:17468.32(▲727.90)
10年物米国債利回り:4.21%(▲0.09%)
WTI原油先物4月限:1バレル=66.03ドル(▲1.01ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2899.4ドル(▲14.7ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は反落。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まると米国株相場が大幅に下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢となった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.19%台まで低下したことも相場の重しとなり、24時前に一時146.64円と昨年10月4日以来の安値を更新した。
ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーが進み一時147.47円付近まで下値を切り上げた。対資源国通貨中心にドル買いが進んだ影響も受けた。
・米株式市場でダウ平均が一時1100ドル超急落したことやWTI原油先物相場の下落を背景にドルは対資源国通貨で強含んだ。豪ドル米ドルは一時0.6265米ドル、NZドル米ドルは0.5691米ドルまで下落したほか、米ドルカナダドルは1.4473カナダドル、ドルメキシコペソは20.3961ペソまで値を上げた。
・ユーロドルはほぼ横ばい。欧州市場では一時1.0875ドルと日通し高値を付けたものの、NY市場では上値の重さが目立った。ドイツの「緑の党」がキリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)などが提示した債務抑制策の緩和やインフラ投資へ向けた基金創設などの案について、「現状のままでは支持しない」との方針を示すと独DAXが一時2%超下落。ユーロ相場の重しとなった。
・ユーロ円は反落。ドイツの環境政党「緑の党」がメルツ氏の債務拡大計画を支持しない意向を示したことなどを受けて、20時過ぎに一時158.90円と日通し安値を付けたものの、NY市場では下げ渋る展開に。ドル円につれた動きとなった。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に反落。米関税政策を巡る不透明感を背景に米景気の先行き懸念が一段と高まると株売りが膨らんだ。トランプ米大統領が各種施策に伴って景気後退に陥る時期がありうることを示唆したことも投資家心理の悪化につながり、一時1100ドル超下げる場面があった。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反落。電気自動車(EV)のテスラが15%超急落した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反発。米政権による関税政策への不透明感が強い中、「トランプ米大統領は景気後退を明確に否定しなかった」と伝わり、米景気の先行き懸念が一段と高まった。相対的に安全資産とされる米国債には買いが集まった。
・原油先物相場は反落。トランプ関税の悪影響が警戒されて米株が大きく売られ、リスク回避ムードが一気に強まった。エネルギー需要低迷に繋がる景気減速への懸念が広まるなか、原油への売り圧力も強まった。
・金先物相場は続落。先週末に見られた持ち高調整の売りが週明けも引き継がれた。米長期金利は低下したものの、金相場の支えとはならず。米株が急落したことで、投資家による換金売りが出ていたもよう。
3/11
東京マーケットダイジェスト
ドル円:1ドル=147.21円(前営業日NY終値比▲0.06円)
ユーロ円:1ユーロ=159.56円(△0.02円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0839ドル(△0.0005ドル)
日経平均株価:36793.11円(前営業日比▲235.16円)
東証株価指数(TOPIX):2670.72(▲30.04)
債券先物3月物:138.82円(△0.60円)
新発10年物国債利回り:1.510%(▲0.065%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月家計調査(消費支出)
前年同月比 0.8% 2.7%
10-12月期実質国内総生産(GDP)改定値
前期比 0.6% 0.7%
前期比年率 2.2% 2.8%
2月マネーストックM2
前年同月比 1.2% 1.3%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は下値が堅い。日経平均株価の大幅下落や米長期金利の低下を手掛かりにした売りが先行し、昨年10月以来の安値となる146.54円まで値を下げた。ただ、一巡後は日本株が急ピッチで下げ幅を縮小したほか、米金利の低下一服などを支えに買い戻しが入り、147.40円まで反発した。
・ユーロドルは強含み。米金利低下を背景にした買いが先行した。昨日高値の1.0875ドル手前では伸び悩む場面もあったが、ドイツの「緑の党」の共同代表が「防衛費を巡る週内の合意を期待」との見解を示すと独財政拡大策を巡る交渉への期待感が高まり、昨日高値に面合わせした。
・ユーロ円は下値が堅い。株安を手掛かりにした売りに押されて一時158.98円まで下落したが、その後はドル円と同様に買い戻しが進んだ。15時過ぎにはユーロドルの上昇につれた買いも入り、160.18円まで上値を伸ばした。
・日経平均株価は反落。米景気の先行き不透明感から昨日の米国株式市場でハイテク株の下げが目立ち、本日の国内株にも売りの流れが波及した。半導体関連株など幅広い銘柄に売りが広がり、指数は一時1000円超の下押しとなり、約半年ぶりに節目の3万6000円を下回る場面も見られた。ただ、その後は自律反発狙いの買いが相場を下支えし、次第に下げ幅を縮小した。
・債券先物相場は反発。日経平均株価が一時1000円を超える大幅安となったことを受け、リスク回避目的の債券需要が意識された。新発10年物国債利回りは3営業日ぶりに節目の1.5%を割り込む場面も見られた。
欧州マーケットダイジェスト
(11日終値:12日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.17円(11日15時時点比▲0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.92円(△1.36円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0934ドル(△0.0095ドル)
FTSE100種総合株価指数:8495.99(前営業日比▲104.23)
ドイツ株式指数(DAX):22328.77(▲292.18)
10年物英国債利回り:4.674%(△0.030%)
10年物独国債利回り:2.897%(△0.064%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルはしっかり。ドイツの環境政党「緑の党」のブラントナー共同党首が「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と防衛費を巡って交渉の用意がある。週内にも合意の可能性」との見解を示すと、独財政拡大策を巡る交渉成立への期待感が高まりユーロ買いが先行。前日の高値1.0875ドルや7日の高値1.0889ドルを上抜けて一時1.0931ドルまで値を上げた。
その後発表の1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.0万件と予想の763.0万件を上回ったことが分かると全般ドル買いが入り、1.0895ドル付近まで伸び悩む場面もあったが、下押しは限定的だった。
NY午後に入ると、「ウクライナは米国が提案した30日間の一時停戦を受け入れる用意がある」との報道が伝わった。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが活発化し、一時1.0947ドルと昨年10月11日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
なお、ウクライナは「米国と天然資源取引で近く合意へ」「米国は情報共有と安全保障の支援再開に合意」との声明を発表した。
・ドル円は上値が重かった。ナイト・セッションの日経平均先物や欧州株相場が上昇して始まると、投資家の過度なリスク回避姿勢が和らぎ円売り・ドル買いが先行した。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、ショートカバーも進み、22時過ぎに一時148.11円と日通し高値を付けた。
ただ、そのあとは上値の重さが目立った。23時発表の米雇用指標は予想より強い内容となったものの、トランプ米大統領がカナダ産鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25%から50%に引き上げるよう商務長官に指示したと明らかにすると、米国株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、147.03円付近まで下押しした。
・ユーロ円は底堅い動き。ドイツで財政出動が早期に実現するとの期待が投資家心理を支え、23時前に一時161.73円まで値を上げた。ただ、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まると米国株相場が軟調に推移。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ユーロ売りが入り、160.63円付近まで伸び悩む場面があった。
もっとも、ウクライナが米国提案の停戦案に前向きとの報道が伝わると再び強含んだ。3時30分前には一時161.79円と日通し高値を更新した。
・カナダドルはトランプ米大統領がカナダへの関税強化を表明したことを受けて全面安の展開となった。対米ドルでは一時1.4521カナダドル、対ユーロでは1.5857カナダドル、対円では101.38円まで下落した。
・ロンドン株式相場は6日続落。米国の関税政策や経済の先行き不透明感を背景に前日の米国株相場が下落すると、英株にも売りが波及した。ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが売られたほか、アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株が値下がりした。
・フランクフルト株式相場は3日続落。財政出動が早期に実現するとの期待から買いが入り、序盤はプラス圏で推移する場面もあったが、米関税政策への警戒は根強く終盤失速した。個別ではヘンケル(10.36%安)やダイムラー・トラック・ホールディング(5.34%安)、BASF(4.01%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は下落。国防費増強に向けた財政拡大観測で独国債が売られた。
NYマーケットダイジェスト
(11日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.78円(前営業日比△0.51円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.36円(△1.82円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0919ドル(△0.0085ドル)
ダウ工業株30種平均:41433.48ドル(▲478.23ドル)
ナスダック総合株価指数:17436.10(▲32.22)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.07%)
WTI原油先物4月限:1バレル=66.25ドル(△0.22ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2920.9ドル(△21.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数
774.0万件 750.8万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは上昇。ドイツの環境政党「緑の党」のブラントナー共同党首が「キリスト教民主・社会同盟(CDU・CSU)と防衛費を巡って交渉の用意がある。週内にも合意の可能性」との見解を示すと、独財政拡大策を巡る交渉成立への期待感が高まりユーロ買いが進んだ。
NY午後に入ると、ウクライナが「米国提案のロシアとの30日間の停戦を受け入れる用意がある」と発表。ウクライナは停戦案を受け入れる一方、米国は情報共有と安全保障の支援を即時再開。双方は天然資源取引を可及的速やかに締結することでも合意した。ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが活発化し、3時30分前に一時1.0947ドルと昨年10月11日以来5カ月ぶりの高値を更新した。
・ドル円は反発。1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が774.0万件と予想の763.0万件を上回ったことが分かると全般ドル買いが先行し一時148.11円まで値を上げた。
ただ、トランプ米大統領がカナダ産鉄鋼・アルミニウムの輸入関税を25%から50%に引き上げるよう商務長官に指示したと明らかにすると、米国株相場が下落。リスク回避の円買い・ドル売りが入り、147.03円付近まで下押しした。
もっとも、「カナダで最大の人口を抱えるオンタリオ州のフォード首相は米国向け電力価格の25%上乗せを一時停止することに同意」と伝わり、トランプ米大統領が「カナダへの50%関税、取り下げる可能性を検討」と発言すると株価の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入った。4時前には147.92円付近まで持ち直した。
・ユーロ円も反発。ドイツで財政出動が早期に実現するとの期待が投資家心理を支え、23時前に一時161.73円まで値を上げたものの、トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まるとダウ平均が一時730ドル超下落。リスク・オフの円買い・ユーロ売りが入り、160.63円付近まで下押しした。
ただ、ウクライナが米国提案の停戦案に前向きとの報道が伝わると再び強含んだ。3時30分前には一時161.79円と日通し高値を更新した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は続落。米関税政策を巡る不透明感を背景に米景気の先行き懸念が一段と高まると幅広い銘柄に売りが先行。指数は一時730ドル超下落した。ただ、ウクライナとロシアの停戦交渉が進むとの期待から買い戻しが入ると下げ幅を縮めた。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も続落。プラス圏で推移する場面もあったが、終盤失速した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。「ロシアによる侵略を受けるウクライナが米国の提示した30日間の停戦案を受け入れることで合意した」と伝わると、地政学リスクに対する警戒が後退し、債券売りが広がった。1月米雇用動態調査(JOLTS)求人件数が予想を上回ったことも相場の重し。
・原油先物相場は小幅に反発。前日引け後にも65ドル台で下げ幅を広げたが、NY序盤には67ドル前半まで切り返した。もっとも一巡後は上げ幅を縮小する展開に。トランプ関税の強化で景気が減速し、エネルギー需要の減少に繋がるという根強い懸念が重しとなった。
・金先物相場は3日ぶりに反発。為替でドル安ユーロ高が進行し、割安感が生じたドル建て金は買い戻しが優勢に。時間外で2880ドル台の底堅さを確認し、NY勢の参入後に2920ドル台まで持ち直すとその後も底堅く推移した。
3/12
東京マーケットダイジェスト
ドル円:1ドル=148.05円(前営業日NY終値比△0.27円)
ユーロ円:1ユーロ=161.42円(△0.06円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0903ドル(▲0.0016ドル)
日経平均株価:36819.09円(前営業日比△25.98円)
東証株価指数(TOPIX):2694.91(△24.19)
債券先物3月物:138.40円(▲0.42円)
新発10年物国債利回り:1.520%(△0.015%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
1-3月期法人企業景気予測調査
大企業業況判断指数(BSI、全産業)
2.0 5.7
大企業業況判断指数(BSI、製造業)
▲2.4 6.3
2月企業物価指数
前月比 横ばい 0.3%
前年同月比 4.0% 4.2%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は小高い。昨日からの流れを引き継いで買いが先行した。148.00円を挟んだ水準でもみ合う場面もあったが、午後に入って一時148.29円まで上昇。もっとも、一巡後は148円割れ水準まで押し戻されるなど、積極的に上値を試す動きとはならなかった。
なお、米政府は現地時間で12日を迎えた日本時間13時、鉄鋼・アルミ関税を例外なく予定通りに発動。欧州連合(EU)は対抗措置として「米国からの輸出品に最大260億ユーロ相当の関税をかける」などの報道が伝わっている。
・ユーロドルは小安い。対円などでややドル買いが進んだ流れに沿って、1.0895ドルまで値を下げた。時間外の米10年債利回りは4.25%台まで小幅に低下しているが、相場への影響は限られた。
・ユーロ円はもみ合い。ドル円とユーロドルの影響を同時に受けたため、161円台半ばを挟んだ水準で方向感なく推移した。
・日経平均株価は反発。外国為替市場で円安・ドル高が進んだことを手掛かりに、海外勢からの買いが観測された株価指数先物主導で底堅く推移した。ウクライナ情勢を巡る地政学リスクの後退も相場を下支えしたが、景気の先行き不安などが上値を抑えたことで買いの勢いも強まることはなかった。
・債券先物相場は反落。前日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行した。20年物国債入札への警戒感も相場の重しとなり、一時138円34銭まで下押し。なお、20年債入札は「弱めの結果」だったが、事前に警戒感が高まっていたため、相場への影響は限られた。
欧州マーケットダイジェスト
(12日終値:13日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.12円(12日15時時点比△0.07円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.55円(△0.13円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0906ドル(△0.0003ドル)
FTSE100種総合株価指数:8540.97(前営業日比△44.98)
ドイツ株式指数(DAX):22676.41(△347.64)
10年物英国債利回り:4.722%(△0.048%)
10年物独国債利回り:2.877%(▲0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い動き。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が緩和。欧州株相場の上昇とともにユーロ買い・ドル売りが先行した。NY市場に入り、2月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りで反応し、一時1.0930ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルが目先レジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、23時前に一時1.0876ドルと日通し安値を付けた。
もっとも、売り一巡後は再び強含む展開に。1時30分前には1.0928ドル付近まで値を戻している。
・ドル円は上値が重かった。欧州株相場や日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米CPIの下振れをきっかけに一時148.18円付近まで売られたものの、148円台は維持した。22時前には149.19円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は再び上値が重くなった。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まる中、一時280ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとドル円にも売りが出た。3時過ぎには一時148.11円付近まで下押しした。
なお、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は本日、すべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税を課した米国に対抗措置を取ると表明。これを受けて、トランプ米大統領は「EUの対抗関税に対抗する」と発言した。
また、カナダ政府は米国産の鉄鋼とアルミニウムに関税を課すと発表。トランプ関税への報復措置であり、米加貿易摩擦激化への懸念は依然として強い。
・ユーロ円も上値が重かった。欧州株高を背景に円売り・ユーロ買いが先行すると一時162.36円と日通し高値を付けたものの、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。3時過ぎには161.55円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は7日ぶりに反発。ウクライナが米国の示した停戦案を受け入れたことをきっかけに、地政学リスクへの懸念が後退し買いが入った。足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いも入りやすかった。ロールス・ロイス・ホールディングスやレレックスなど資本財サービス株が買われたほか、バークレイズなど金融株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は4日ぶりに反発。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らいだ。前日までに3日続落した反動で短期的な戻りを期待した買いも入った。個別ではラインメタル(9.62%高)やシーメンス・エナジー(8.97%高)、ザルトリウス(5.08%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場は英国債が下落した一方、独国債が上昇した。
NYマーケットダイジェスト
(12日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.25円(前営業日比△0.47円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.40円(△0.04円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0888ドル(▲0.0031ドル)
ダウ工業株30種平均:41350.93ドル(▲82.55ドル)
ナスダック総合株価指数:17648.45(△212.35)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.03%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.68ドル(△1.43ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2946.8ドル(△25.9ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
MBA住宅ローン申請指数
(前週比) 11.2% 20.4%
2月米消費者物価指数(CPI)
(前月比) 0.2% 0.5%
(前年同月比) 2.8% 3.0%
エネルギーと食品を除くコア指数
(前月比) 0.2% 0.4%
(前年同月比) 3.1% 3.3%
2月米財政収支
3070億ドルの赤字 1286億ドルの赤字
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ユーロドルは反落。米国が提案した30日間の停戦案をウクライナが受け入れると、ウクライナ情勢を巡る懸念が緩和。欧州株相場の上昇とともにユーロ買い・ドル売りが先行した。NY市場に入り、2月米消費者物価指数(CPI)が予想を下回ったことが分かると全般ドル売りで反応し、一時1.0930ドルと日通し高値を付けた。
ただ、前日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルが目先レジスタンスとして意識されると上値が重くなった。米長期金利の上昇に伴うユーロ売り・ドル買いも出て、23時前に一時1.0876ドルと日通し安値を付けた。1時30分前には1.0928ドル付近まで値を戻す場面もあったが、引けにかけては再び弱含んだ。欧米の貿易摩擦を懸念し上値が重かったところに、ポジション調整目的の売りが出て1.0880ドル付近まで押し戻された。
なお、欧州連合(EU)の執行機関である欧州委員会は本日、すべての国からの鉄鋼・アルミニウム製品に25%の追加関税を課した米国に対抗措置を取ると表明。これを受けて、トランプ米大統領はEUに対して報復するかとの記者団の質問に「もちろん対応する」と答えた。
・ドル円は続伸。欧州株相場や日経平均先物の上昇などを手掛かりに円売り・ドル買いが先行。米CPIの下振れをきっかけに一時148.18円付近まで売られたものの、148円台は維持した。22時前には149.19円と日通し高値を付けた。
ただ、買い一巡後は徐々に上値が重くなった。トランプ米政権による関税政策などを背景に米景気懸念が一段と高まる中、一時280ドル超上昇したダウ平均が失速し、420ドル超下落するとドル円にも売りが出た。3時過ぎには一時148.11円付近まで下押しした。もっとも、米長期金利の上昇に伴う円売り・ドル買いも出たため、下値は限られた。
・ユーロ円は小幅ながら続伸。欧州時間に一時162.36円と日通し高値を付けたあとは徐々に上値が重くなった。欧米の貿易戦争が一段と激化するとの懸念が高まる中、全般ユーロ売りが出ると4時過ぎに161.40円付近まで下押しした。
ユーロ豪ドルは一時1.7220豪ドル、ユーロNZドルは1.8997NZドル、ユーロポンドは0.8392ポンド、ユーロカナダドルは1.5622カナダドル、ユーロスイスフランは0.9600スイスフランと日通し安値を付けた。
3/13
東京マーケットダイジェスト
ドル円:1ドル=147.72円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=160.79円(▲0.61円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0885ドル(▲0.0003ドル)
日経平均株価:36790.03円(前営業日比▲29.06円)
東証株価指数(TOPIX):2698.36(△3.45)
債券先物6月物:137.75円(▲0.24円)
新発10年物国債利回り:1.540%(△0.020%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
<発表値> <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
3559億円の処分超 1兆5142億円の所得超
対内株式
2205億円の処分超 7083億円の処分超
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は弱含み。しばらくは148円台前半でのもみ合いとなっていたが、植田日銀総裁が「今後実質賃金や消費について良い姿が見込まれる」などの見解を示すと、日銀の追加利上げ観測が意識され、本邦長期金利の上昇とともに円買いが進んだ。一時147.58円まで下押しした。
・ユーロ円も弱含み。161円台前半でのもみ合いから次第に売りが強まった。日銀総裁発言を受けた円買いの流れに沿って160.54円まで値を下げた。
・ユーロドルは小安い。1.08ドル台後半での狭いレンジ内推移となっていたが、ユーロ円などの下落につれて1.0870ドルまで弱含んだ。
・日経平均株価は反落。昨日の米国株式市場でハイテク株高が進んだことが手掛かりとなり、本日の東京市場でも半導体関連株を中心に買いが入った。指数は一時500円超高まで上昇する場面もあったが、買い一巡後は伸び悩む展開に。植田日銀総裁の発言で利上げ継続が意識されると、外国為替市場で円高が進んだことに歩調を合わせて売りに押され、指数も下げに転じた。
・債券先物相場は下落。昨日実施の20年債入札を波乱なく通過したことで買い先行となったが、植田日銀総裁の発言を受けて日銀の利上げ継続が意識されると売りに転じた。
欧州マーケットダイジェスト
(13日終値:14日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.62円(13日15時時点比▲0.10円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.24円(▲0.55円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0854ドル(▲0.0031ドル)
FTSE100種総合株価指数:8542.56(前営業日比△1.59)
ドイツ株式指数(DAX):22567.14(▲109.27)
10年物英国債利回り:4.677%(▲0.045%)
10年物独国債利回り:2.855%(▲0.022%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月スイス生産者輸入価格
(前月比) 0.3% 0.1%
1月ユーロ圏鉱工業生産
(前月比) 0.8% ▲0.4%・改
(前年比) 0.0% ▲1.5%・改
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。欧州勢が参入すると円売り・ドル買いが先行。NY市場に入り、2月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると円買い・ドル売りで反応する場面もあったが、反応は一時的だった。前日の2月米消費者物価指数(CPI)の下振れと同様に、「関税引き上げの影響はこれから」との見方から米長期金利が上昇。ドル円にも買い戻しが入り、22時過ぎには148.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値148.38円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米関税政策による世界景気への懸念や米政府機関の閉鎖回避を巡る不透明感からダウ平均が一時660ドル超下落するとリスク回避の円買いが活発化。ベッセント米財務長官が「最近の市場でドルが下落しているのは自然な調整」と述べ、「懸念していない」との考えを明らかにしたこともドルの重しとなった。アジア時間の安値147.58円を下抜けると一時147.42円まで値を下げた。米長期金利が低下に転じたこともドル売りを誘った。
・ユーロドルは下げ渋り。トランプ米大統領が欧州連合(EU)から輸入するワインなどの酒類に200%の関税を課す考えを表明したことや、「ロシアの交渉担当者は米国の一時停戦案を拒否」との報道をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分前に一時1.0823ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.0878ドル付近まで持ち直した。ベッセント米財務長官の発言や米長期金利が低下に転じたことが相場を下支えした。
なお、プーチン露大統領は米国が提案したウクライナでの停戦案について「一時停戦には同意するが、長期的な平和につながるべき。停戦について多くの疑問がある」と話し、即時の停戦受け入れには難色を示した。
・ユーロ円はさえない。欧州序盤に一時161.27円付近まで値を上げたものの、アジア時間に付けた日通し高値161.52円が目先レジスタンスとして意識されると次第に弱含んだ。米政権の関税政策が欧州景気に及ぼす悪影響が懸念され、ユーロ売りが進んだ。
NY市場では米国株相場の下落を背景にリスク回避の円買いが優勢となり、2時30分前に一時160.06円と日通し安値を付けた。
・ロンドン株式相場は小幅ながら続伸。米関税政策による世界景気への懸念が根強く、英株にも売りが出た。半面、足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いも入りやすく、相場は前日終値を挟んだもみ合いに終始した。アストラゼネカやグラクソスミスクラインなど医薬品株に買いが入ったほか、BPやシェルなどエネルギー株が値上がりした。半面、ロールス・ロイス・ホールディングスやアシュテッド・グループなど資本財サービス株が売られた。
・フランクフルト株式相場は反落。欧米の貿易摩擦が激化するとの懸念から売りが優勢となった。個別ではダイムラー・トラック・ホールディング(4.44%安)やフレゼニウス・メディカル・ケア(4.04%安)、ブレンターク(3.31%安)などの下げが目立った。
・欧州債券相場は上昇。欧米の貿易摩擦激化への懸念から買いが入った。
NYマーケットダイジェスト
(13日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.81円(前営業日比▲0.44円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.42円(▲0.98円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0852ドル(▲0.0036ドル)
ダウ工業株30種平均:40813.57ドル(▲537.36ドル)
ナスダック総合株価指数:17303.01(▲345.44)
10年物米国債利回り:4.27%(▲0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=66.55ドル(▲1.13ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2991.3ドル(△44.5ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月米卸売物価指数(PPI)
(前月比) 0.0% 0.6%・改
(前年比) 3.2% 3.7%・改
食品とエネルギーを除くコア指数
(前月比) ▲0.1% 0.5%・改
(前年比) 3.4% 3.8%・改
前週分の米新規失業保険申請件数
22.0万件 22.2万件・改
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに反落。米労働省が発表した2月米卸売物価指数(PPI)が予想を下回ったことが伝わると円買い・ドル売りで反応する場面もあったが、反応は一時的。前日の2月米消費者物価指数(CPI)の下振れと同様に、「関税引き上げの影響はこれから」との見方から米長期金利が上昇。ドル円にも買い戻しが入り、22時過ぎには148.35円付近まで値を上げた。
ただ、アジア時間に付けた日通し高値148.38円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。米関税政策による世界景気への懸念や米政府機関の閉鎖回避を巡る不透明感からダウ平均が一時680ドル超下落するとリスク回避の円買いが活発化。米長期金利が低下に転じたこともドル売りを促し、2時30分過ぎに一時147.42円と日通し安値を更新した。ベッセント米財務長官が「最近の市場でドルが下落しているのは自然な調整」と述べ、「懸念していない」との考えを明らかにしたこともドルの重しとなった。
・ユーロドルは続落。トランプ米大統領が欧州連合(EU)から輸入するワインなどの酒類に200%の関税を課す考えを表明したことや、「ロシアの交渉担当者は米国の一時停戦案を拒否」との報道をきっかけにユーロ売り・ドル買いが先行。22時30分前に一時1.0823ドルと日通し安値を付けた。
ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢となり、1.0878ドル付近まで持ち直した。ベッセント米財務長官の発言や米長期金利が低下に転じたことが相場を下支えした。もっとも、米関税政策への警戒感やウクライナ情勢の不透明感は根強く、戻りは限定的だった。
なお、プーチン露大統領は米国が提案したウクライナでの停戦案について「一時停戦には同意するが、長期的な平和につながるべき。停戦について多くの疑問がある」と話し、即時の停戦受け入れには難色を示した。
・ユーロ円は3日ぶりに反落。米国の関税政策が欧州景気に及ぼす悪影響が懸念される中、全般ユーロ売りが先行。米国株相場の下落を背景にリスク回避の円買いが強まると、2時30分前に一時160.06円と日通し安値を付けた。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は4日続落し昨年9月10日以来約半年ぶりの安値となった。トランプ米政権の関税政策を背景に激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念からリスク回避の売りが優勢となった。ウクライナ情勢の不透明感も投資家心理を圧迫し、ダウ平均は一時680ドル超下落した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅反落し、昨年9月10日以来約半年ぶりの安値で取引を終えた。
・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反発。2月米PPIが予想を下回ると買いが先行したものの、すぐに失速した。市場では「米関税政策で物価上昇圧力が高まる可能性があり、材料視しにくい」との声が聞かれた。
ただ、NY午後に入ると米国株相場の下落に伴う買いが優勢となり上げに転じた。トランプ米政権の関税政策を背景に激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念から、相対的に安全資産とされる米国債に買いが入った。
・原油先物相場は反落。時間外で上昇したものの、NY勢の本格参入後から上値の重い展開が続いた。米とEUが貿易戦争の様相を呈し始め、経済への悪影響を懸念した売りが強まった。国際エネルギー機関(IEA)の月報で示された「今年の国際石油市場では供給が需要を上回る」との見通しも、相場の重しとなった。
・金先物相場は大幅に3日続伸し、中心限月の清算値ベースで史上最高値を更新。EUが、ウィスキーを含む米国製品に来月から追加関税を課すと発表。これを受けてトランプ米大統領は、EUから輸入するワインなどの酒類に200%の関税を課す考えを示した。これにくわえて、ウクライナ停戦案に対する後ろ向きの考えがロシアから伝わった。貿易摩擦の激化と地政学リスクへの懸念から、安全資産とされる金に資金が向かった。一時3000ドルに迫る場面もあった。
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東京マーケットダイジェスト
ドル円:1ドル=148.47円(前営業日NY終値比△0.66円)
ユーロ円:1ユーロ=161.10円(△0.68円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0850ドル(▲0.0002ドル)
日経平均株価:37053.10円(前営業日比△263.07円)
東証株価指数(TOPIX):2715.85(△17.49)
債券先物6月物:138.14円(△0.39円)
新発10年物国債利回り:1.520%(▲0.025)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な国内経済指標)
特になし
(各市場の動き)
・ドル円は堅調。米上院民主党トップのシューマー院内総務が共和党の予算案に賛成票を投じる意向を示すと、時間外で米株価指数先物が上昇してドル円はつれ高となった。その後も実質ゴトー(5・10)日の仲値に向けてドル買いが優勢となったほか、安く始まった日経平均が上昇に転じた後も堅調に推移したことも合わさり、148.65円まで上値を広げた。
・ユーロ円も堅調。日経平均や中国株の上昇を受けてリスク選考の流れとなる中、全般的に円安が進行すると161.19円まで上昇した。
・ユーロドルは様子見。手掛かり材料に乏しい中、1.08ドル台半ばで方向感を模索する動きが続いた。
・日経平均株価は反発。前日の米株安を受けて安く始まった後は一転して買い優勢の展開に。その流れが後場に入っても続くと、3万7000円の大台を回復して引けた。
・債券先物相場は反発。前日の米債券市場で上昇した流れを引き継いで買いが先行するも、日経平均が堅調した推移ほか、財務省が実施した流動性入札が弱めの結果となると137円63銭まで売られた。ただ、トランプ米政権による関税戦争への懸念を背景に世界的な景気減速が懸念されると、日銀の早期利上げに慎重になるとの見方が浮上して債券が買い戻された。
欧州マーケットダイジェスト
(14日終値:15日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.44円(14日15時時点比▲0.03円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.53円(△0.43円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0882ドル(△0.0032ドル)
FTSE100種総合株価指数:8632.33(前営業日比△89.77)
ドイツ株式指数(DAX):22986.82(△419.68)
10年物英国債利回り:4.666%(▲0.011%)
10年物独国債利回り:2.876%(△0.021%)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な欧州経済指標)
<発表値> <前回発表値>
2月独消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.4% 0.4%
(前年同月比) 2.3% 2.3%
2月独卸売物価指数(WPI)
(前月比) 0.6% 0.9%
1月英国内総生産(GDP)
(前月比) ▲0.1% 0.4%
1月英鉱工業生産
(前月比) ▲0.9% 0.5%
(前年同月比) ▲1.5% ▲1.9%
1月英製造業生産指数
(前月比) ▲1.1% 0.7%
2月仏消費者物価指数(CPI)改定値
(前月比) 0.0% 0.0%
(前年同月比) 0.8% 0.8%
※改は改定値を表す。▲はマイナス。
(各市場の動き)
・ドル円は頭が重かった。労働組合の全国中央組織「連合」が公表した2025年春闘の第1回回答集計によると、平均賃上げ率は5.46%と前年の5.28%を上回り、1991年の最終集計(5.66%)以来の高水準となった。ただ、賃上げ要求の6.09%を下回ったうえ、来週18-19日の日銀金融政策決定会合では現状維持が見込まれているため、円売り・ドル買いで反応した。16時30分前には一時149.02円と日通し高値を更新した。
ただ、買い一巡後は徐々に上値を切り下げた。米長期金利が上昇幅を縮めたことや3月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が57.9と予想の63.1を下回ったことが相場の重し。1時30分過ぎには148.26円付近まで下押しした。
・ユーロドルは伸び悩み。独主要与野党と「緑の党」は財政拡大へ向けた案について合意したとの報道が伝わると、拡張的な財政政策が早期に実現するとの見方からユーロ買い・ドル売りが先行。欧州株相場の上昇に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、20時前に一時1.0912ドルと日通し高値を更新した。
ただ、11日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルがレジスタンスとして意識されるとやや上値が重くなった。ユーロ円の失速につれた売りも出ると一時1.0866ドル付近まで下押しした。
なお、トランプ米大統領はこの日、「プーチン露大統領と13日に有意義で生産的な協議を行った」と明らかにし、ロシアとウクライナの紛争が終結する「可能性が非常に高い」と述べた。一方、プーチン露大統領は「クルスク州のウクライナ軍に関するトランプ大統領の要請を検討」「米国との関係について進展が見られる」「トランプ大統領はロシアとの関係修復に全力を尽くしている」などと語った。
・ユーロ円も伸び悩み。ドル円の上昇につれた買いが入ったあとは、ドイツで財政拡大策が実現に向かうことへの期待が高まりユーロ買いが進んだ。20時前には162.33円と日通し高値を更新した。ただ、12日の高値162.36円がレジスタンスとして意識されるとやや上値が重くなった。1時前には161.28円付近まで下押しした。
・ロンドン株式相場は3日続伸。日本株や中国株の上昇を受けて買いが先行。本日の米国株が大幅に反発したことも相場の支援材料となった。BAEシステムズやロールス・ロイス・ホールディングスなど資本財サービス株が買われたほか、リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株が値上がりした。
・フランクフルト株式相場は大幅に反発。本日のアジア株相場が上昇した流れを引き継いで独株にも買いが波及した。財政拡大策が早期に実現するとの期待から買いが入った面もあった。個別ではラインメタル(6.29%高)やエアバス(4.21%高)、ハイデルベルク・マテリアルズ(3.75%高)などの上昇が目立った。
・欧州債券相場で独国債は下落。ドイツで拡張的な財政政策が実現するとの見方が強まると、独国債に売りが出た。
NYマーケットダイジェスト
(14日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.64円(前営業日比△0.83円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=161.69円(△1.27円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0879ドル(△0.0027ドル)
ダウ工業株30種平均:41488.19ドル(△674.62ドル)
ナスダック総合株価指数:17754.09(△451.08)
10年物米国債利回り:4.31%(△0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.18ドル(△0.63ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=3001.1ドル(△9.8ドル)
※△はプラス、▲はマイナスを表す。
(主な米経済指標)
<発表値> <前回発表値>
3月米消費者態度指数(ミシガン大調べ、速報値)
57.9 64.7
※改は改定値、▲はマイナスを表す。
(各市場の動き)
・ドル円は反発。日本時間夕刻に一時149.02円まで上昇した影響が残った。
NY市場序盤は3月米ミシガン大学消費者態度指数速報値が予想を下回った一方、同時に発表された1年先・5年先の期待インフレ率が予想を上回ったため、売買が交錯。指標発表直後には148.89円付近まで上げたものの、1時30分過ぎには148.26円付近まで押し戻された。
ただ、NY午後に入るとじりじりと下値を切り上げる展開に。米政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことなどが好感されて、ダウ平均が一時700ドル超上昇。米国株の大幅反発に伴う円売り・ドル買いが出て148.67円付近まで持ち直した。市場では「一目均衡表転換線が位置する148.36円が意識されている状況」との声も聞かれた。
・ユーロドルは3日ぶりに反発。欧州時間に「独主要与野党は、国防費支出の増加などを含めた財政パッケージを巡り『緑の党』と合意した」と伝わった。ドイツで拡張的な財政政策が早期に実現するとの見方が強まると、ユーロ買い・ドル売りが優勢となり一時1.0912ドルと日通し高値を更新した。
ただ、11日に付けた5カ月ぶりの高値1.0947ドルがレジスタンスとして意識されると伸び悩んだ。ユーロ円の失速や米長期金利の上昇も相場の重しとなり、23時30分過ぎに一時1.0866ドル付近まで下押しした。
もっとも、NY午後に入ると1.0880ドルを挟んだ狭いレンジ取引に終始した。来週18-19日の米連邦公開市場委員会(FOMC)やウクライナ停戦合意の行方などを見極めたいとの思惑から様子見ムードが広がった。
・ユーロ円は反発。ドイツで財政拡大策が実現に向かうことへの期待が高まる中、欧州時間には162.33円と日通し高値を付ける場面があった。ただ、NY市場では12日の高値162.36円がレジスタンスとして意識され、じり安の展開に。1時前には161.28円付近まで下押しした。
もっとも、引けにかけては米国株高やドル円の買い戻しにつれた動きとなり、161.80円付近まで持ち直した。
・米国株式市場でダウ工業株30種平均は5日ぶりに大幅反発。トランプ米政権の関税政策を背景に激化する通商摩擦が景気の悪化を招くとの懸念から、足もとで相場下落が続いたあとだけに、自律反発狙いの買いが入った。米政府機関の一部閉鎖が回避される可能性が高まったことも投資家心理の改善につながり、指数は一時700ドル超上昇した。
ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅に反発。テスラやマイクロン・テクノロジーなどが上昇した。
・米国債券相場で長期ゾーンは反落。米国株相場の大幅反発を受けて債券売りが広がった。米ミシガン大学が公表した3月米消費者調査で期待インフレ率が予想を上回ったことも売りを誘った。
・原油先物相場は反発。3月米ミシガン大学消費者態度指数・速報値が低調な結果となり、エネルギー需要の減少を懸念した売りで時間外の上昇分を吐き出す場面があった。もっとも、株式市場が大幅に反発し、リスク回避の巻き戻しが原油市場にも波及。週引けにかけて、67ドル前半で底堅く推移した。
・金先物相場は4日続伸し、中心限月の清算値ベースで史上初の3000ドル超えを記録。時間外から買い優勢となり、節目の3000ドルを超えると3017ドル付近まで上げ足を速めた。もともと地合いが強かったところに、為替のドル安進行がドル建て金を押し上げた。NY勢の本格参入後からは利益確定売りで伸び悩むも、貿易摩擦による景気減速への懸念が残るなか、安全資産とされる金への買い意欲は強いままだった。