フィボナッチ・ゾーン(週次)

USDJPY フィボナッチ・ゾーン振り返り(2025/03/03〜03/07)

3/3

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=150.40円(前営業日NY終値比▲0.23円)
ユーロ円:1ユーロ=156.63円(△0.36円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0414ドル(△0.0039ドル)
日経平均株価:37785.47円(前営業日比△629.97円)
東証株価指数(TOPIX):2729.56(△47.47)
債券先物3月物:139.44円(▲0.33円)
新発10年物国債利回り:1.405%(△0.035%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは強含み。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退したことで週明けから買いが強まり、先週末高値の1.0420ドルを上抜けて1.0423ドルまで値を上げた。

・ドル円は上値が重い。早朝はユーロ円の上昇につれて一時151.02円と先週末高値の150.99円を上抜ける場面があった。ただ、151円台での滞空時間は短く、月初に絡んだ本邦輸出企業の売りが観測されると失速。一時150.25円まで下げ、その後の戻りも鈍かった。

・ユーロ円は強含み。ウクライナを巡る不透明感が和らいだとの見方から早朝取引で買いが進み、一時157.31円まで値を上げた。ただ、その後はドル円が失速した影響を受けたため156円台半ばまで押し戻された。

・日経平均株価は反発。先週末に大幅下落した反動から週明けは自律反発狙いの買いが強まった。自動車や機械など主力株の買いが目立ち、終始堅調に推移した。

・債券先物相場は反落。日経平均株価が前週末の大幅下落の反動から堅調に推移し、安全資産とされる債券需要が低下。明日の10年債入札を前にした持ち高調整売りも見られた。

欧州マーケットダイジェスト

(3日終値:4日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=150.18円(3日15時時点比▲0.22円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=157.53円(△0.90円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0490ドル(△0.0076ドル)
FTSE100種総合株価指数:8871.31(前営業日比△61.57)
ドイツ株式指数(DAX):23147.02(△595.59)
10年物英国債利回り:4.555%(△0.073%)
10年物独国債利回り:2.491%(△0.085%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
2月スイス製造業PMI
        49.6       47.5
2月仏製造業PMI改定値
        45.8       45.5
2月独製造業PMI改定値
        46.5       46.1
2月ユーロ圏製造業PMI改定値
        47.6       47.3
2月英製造業PMI改定値
        46.9       46.4
1月英消費者信用残高
       17億ポンド   11億ポンド・改
1月英マネーサプライM4
(前月比)   1.3%      0.1%
(前年比)   4.1%     2.6%・改
2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値
(前年比)   2.4%      2.5%
2月ユーロ圏HICPコア速報値
(前年比)   2.6%      2.7%

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは底堅い。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、ユーロ買い・ドル売りが優勢となった。2月の仏・独・ユーロ圏製造業PMI改定値や2月ユーロ圏消費者物価指数(HICP)速報値が予想を上回ったこともユーロ買いを誘った。
 NYの取引時間帯に入ると、2月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の50.5を下回ったことを受けて、米長期金利の低下とともにドル売りが活発化。24時30分過ぎに一時1.0503ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1797%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。

・ドル円は荒い値動き。三村淳財務官が「物価上昇を上回る賃金上昇を実現するうえで円安がマイナスの影響を及ぼす可能性があるため、為替動向を注視する必要がある」との見解を示すと、円買い・ドル売りで反応。18時過ぎに一時149.95円と日通し安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は買い戻しが優勢に。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、欧州株相場の上昇に伴う円売り・ドル買いが進んだ。ナイト・セッションの日経平均先物が底堅く推移したことも相場の支援材料となり、21時過ぎに一時151.30円と日通し高値を付けた。
 もっとも、2月20日の高値151.48円が目先レジスタンスとして意識されると失速した。2月米ISM製造業景況指数の下振れと米長期金利の低下も相場の重しとなり、1時30分過ぎには150.05円付近まで押し戻された。

・ユーロ円は一転上昇。日本時間夕刻に一時155.93円と日通し安値を付けたものの、この日発表のユーロ圏経済指標が予想を上回ると買い戻しが優勢に。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、英独株価指数が史上最高値を更新したことも相場の支援材料となり、一時158.47円と日通し高値を付けた。

・ロンドン株式相場は5日続伸し、史上最高値を更新した。英国やフランス、ドイツなど欧州主要国の首脳が防衛費を早期に増額することで一致したのを受けて、BAEシステムズやといった防衛関連銘柄が軒並み大幅高となった。リオ・ティントやアングロ・アメリカンなど素材株も買われた。

・フランクフルト株式相場は大幅に上昇し、史上最高値を更新した。前週末に欧州の西側諸国首脳がウクライナへの支持を改めて表明。英仏とウクライナで停戦案を作成したうえで米国に提示するとしたほか、欧州首脳らは停戦後のウクライナの安全保障に向けて有志国連合の協議を始めたと報じられた。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退したことで買いが優勢となった。

・欧州債券相場は下落。防衛費増大が各国の国債増発につながるとの見方から売りが出た。

NYマーケットダイジェスト

(3日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.50円(前営業日比▲1.13円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.79円(△0.52円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0487ドル(△0.0112ドル)
ダウ工業株30種平均:43191.24ドル(▲649.67ドル)
ナスダック総合株価指数:18350.19(▲497.09)
10年物米国債利回り:4.15%(▲0.06%)
WTI原油先物4月限:1バレル=68.37ドル(▲1.39ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2901.1ドル(△52.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
2月米製造業PMI改定値
        52.7       51.6
2月米ISM製造業景況指数
        50.3       50.9
1月米建設支出
(前月比)  ▲0.2%      0.5%

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は4日ぶりに反落。投機筋の円ロング(ドル円のショート)ポジションの偏りを警戒する向きが増える中、欧州株相場の上昇を手掛かりに円売り・ドル買いが先行。21時過ぎに一時151.30円と日通し高値を付けた。
 ただ、2月米ISM製造業景況指数が50.3と予想の50.5を下回ったことが分かると、米長期金利の低下とともに全般ドル売りが優勢に。NY午後に入ると、トランプ米大統領が「日本と中国が通貨安政策を取るなら米国は不当に不利な立場に立たされる」と述べ、両国を名指しして「こうした国に関税を課す」と表明。円買い・ドル売りが活発化した。米国株や日経平均先物の下落に伴うリスク・オフの円買いも入り、三村淳財務官の発言後に付けた149.95円を下抜けると一時149.10円まで下げ幅を広げた。

・ユーロドルは4日ぶり反発。欧州の主要国が米国とウクライナの関係修復を目指すとの見方から、ウクライナ情勢を巡る懸念が和らぐと全般ユーロ買いが先行。2月米ISM製造業景況指数の下振れと米長期金利の低下も相場の支援材料となり、0時30分過ぎに一時1.0503ドルと日通し高値を更新した。米長期金利の指標となる米10年債利回りは一時4.1456%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。
 ただ、トランプ米大統領は予定通り4日にカナダとメキシコに対する関税を発動することを決めたと伝わると、ユーロ売り・ドル買いがやや優勢に。5時30分過ぎに1.0467ドル付近まで伸び悩んだ。

・メキシコペソとカナダドルは急落。トランプ米大統領が「明日、カナダとメキシコに関税を課す」「(発動までに合意できる余地は)全くない」と発言したことを受けた。ドルペソは一時20.7452ペソ、ペソ円は7.20円までペソ安に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4542カナダドル、カナダドル円は102.55円までカナダドル安に振れた。

・ユーロ円は続伸。ウクライナ情勢に対する過度な懸念が後退する中、英独株価指数が史上最高値を更新したことなどが相場の支援材料となり、22時前に一時158.47円と日通し高値を付けた。
 ただ、NY午後に入りトランプ米大統領の発言が伝わると米株式市場でダウ平均が一時920ドル超下落し、リスク・オフの円買いが活発化。5時30分過ぎに156.09円付近まで下押しする場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅反落。エヌビディアの大幅下落や2月米ISM製造業景況指数の下振れが投資家心理の悪化につながった。トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響も懸念されて、指数は一時920ドル超下落した。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も大幅反落した。

・米国債券相場で長期ゾーンは続伸。米国株相場の下落や米経済指標の下振れを受けて、相対的に安全資産とされる米国債が買われた。利回りは一時4.1456%前後と昨年12月9日以来の低水準を付けた。

・原油先物相場は続落。米長期金利が低下していることで、ドルで取引される原油先物は割安感から堅調に推移していた。しかし、石油輸出国機構(OPEC)プラスが4月に増産を実施する予定との報道が伝わると、一転原油先物は売りに押され一時68ドルを割り込み、年初来安値を更新し続落して引けた。

・金先物相場は3日ぶりに反発。米国が明日4日にカナダ、メキシコからの輸入品に25%、中国からは輸入品には20%の関税賦課の発動期日を前に、避難通貨として金先物に買いが集まり3営業日ぶりに反発した。また、米長期金利が低下しドルが弱含むと、ドルで取引される金先物は割安感からも買われやすかった。

3/4

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=149.38円(前営業日NY終値比▲0.12円)
ユーロ円:1ユーロ=156.61円(▲0.18円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0483ドル(▲0.0004ドル)
日経平均株価:37331.18円(前営業日比▲454.29円)
東証株価指数(TOPIX):2710.18(▲19.38)
債券先物3月物:139.33円(▲0.11円)
新発10年物国債利回り:1.420%(△0.015%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標) 
      <発表値>    <前回発表値>
1月完全失業率
       2.5%      2.5%・改
1月有効求人倍率
       1.26倍      1.25倍
10-12月期法人企業統計調査・ソフトウェア含む全産業設備投資額
前年同期比  ▲0.2%      8.1%
2月マネタリーベース
前年同月比  ▲1.8%     ▲2.5%
2月消費動向調査(消費者態度指数、一般世帯)
       35.0       35.2

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は一進一退。日経平均株価が大幅に下落したほか、時間外の米10年債利回りが低下したことを受けて売りが強まり、一時148.60円まで値を下げた。ただ、2月25日安値の148.57円が目先のサポートとして意識されると反発。午後には一時149.50円台まで持ち直す場面も見られた。

・ユーロ円も一進一退。総じてドル円と同様の展開となった。序盤は日本株安を受けて155.93円まで下落したが、昨日安値との面合わせに留まると156.70円台まで切り返した。

・ユーロドルは小動き。東京市場では1.0471-96ドルと狭い値幅でのレンジ取引となった。

・日経平均株価は反落。米政権による関税政策の強化が嫌気され売りが優勢に。外国為替市場での円高進行やウクライナ情勢の緊迫化も重しとなった。下げ幅は前場に一時1000円に迫ったが、内需株に買いが入ったため、引けにかけては下げ渋った。

・債券先物相場は続落。昨日の米国債券相場が上昇した流れを引き継いで139.58円まで買いが先行した。ただ、10年債入札が弱い内容だったことで一転して139.17円まで急落した。

欧州マーケットダイジェスト

(4日終値:5日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.75円(4日15時時点比▲0.63円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=156.80円(△0.19円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0541ドル(△0.0058ドル)
FTSE100種総合株価指数:8759.00(前営業日比▲112.31)
ドイツ株式指数(DAX):22326.81(▲820.21)
10年物英国債利回り:4.534%(▲0.021%)
10年物独国債利回り:2.495%(△0.004%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
1月ユーロ圏失業率
         6.2%     6.2%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は下げ渋り。トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて、アジアや欧州の株式相場が大幅に下落。時間外のダウ先物も下落し、世界同時株安の様相を呈した。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが優勢になると、2月25日の安値148.57円を下抜けて一時148.10円と昨年10月9日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。市場では「日本時間5日11時に予定されているトランプ米大統領の施政方針演説への警戒感から売りが出た」との声も聞かれた。
 ただ、節目の148.00円がサポートとして意識されると下げ渋った。一時は4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けた米10年債利回りが上昇に転じたことも相場を下支えし、148.92円付近まで下値を切り上げた。

・ユーロドルは底堅い。フォンデアライエン欧州委員長が提案した8000億ユーロ規模の欧州再軍備などが好感されてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の低下に伴うユーロ買い・ドル売りも入り、一時1.0559ドルと昨年12月10日以来の高値を付けた。
 独DAXが3.5%超下落するなど、欧州株相場が大幅に下落したことが相場の重しとなり、一時1.0497ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。2時過ぎには1.0541ドル付近まで切り返した。
 なお、米短期金融市場では米利下げ観測が高まり、年内に0.25%の利下げが3回行われるとの見方を完全に織り込んだ。

・メキシコペソとカナダドルは下落。ドルペソは一時20.9982ペソ、ペソ円は7.07円までペソ安に振れたほか、米ドルカナダドルは一時1.4543カナダドル、カナダドル円は102.20円までカナダドル安に振れた。
 なお、トランプ米大統領が両国に対する関税を予定通り発動したことを受けて、シェインバウム・メキシコ大統領は「メキシコに対する米国の関税は正当性がない」「対抗措置を9日に発表する」と表明。また、トルドー加首相は「米国からの輸入品300億カナダドル相当に25%の関税を即時課す」と述べ、「カナダ国民は戦いから退かない」と米政権との対立姿勢を示した。

・ユーロ円は一進一退。ユーロドルの上昇につれた買いが先行すると一時157.20円と日通し高値を付けたものの、世界的な株価の下落を受けてリスク回避の円買いが強まると一時155.60円と日通し安値を更新した。ただ、そのあとはドル円や米国株の下げ渋りにつれた買いが入り156.96円付近まで持ち直した。

・ロンドン株式相場は6日ぶりに反落。前日まで5日続伸し史上最高値を更新していただけに、利益確定目的の売りが先行した。米国がメキシコとカナダ、中国に対して関税を発動したことで貿易摩擦激化への懸念が広がり、相場の重しとなった面もある。BPやシェルなどエネルギー株が売られたほか、HSBCやバークレイズなど金融株が値下がりした。

・フランクフルト株式相場は大幅に反落。前日に史上最高値を更新しただけに、利益確定目的の売りが広がった。米政権による関税政策が世界経済に悪影響を及ぼすとの警戒感も売りを誘った。なお、フランスの株価指数は1.85%安、イタリアは3.41%安、スペインは2.55%安となった。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

NYマーケットダイジェスト

(4日終値)
ドル・円相場:1ドル=149.79円(前営業日比△0.29円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.17円(△2.38円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0626ドル(△0.0139ドル)
ダウ工業株30種平均:42520.99ドル(▲670.25ドル)
ナスダック総合株価指数:18285.16(▲65.03)
10年物米国債利回り:4.24%(△0.09%)
WTI原油先物4月限:1バレル=68.26ドル(▲0.11ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2920.6ドル(△19.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
特になし

(各市場の動き)
・ユーロドルは続伸。フォンデアライエン欧州委員長が提案した8000億ユーロ規模の欧州再軍備などが好感されてユーロ買い・ドル売りが先行。米長期金利の指標となる米10年債利回りが一時4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けたこともユーロ買い・ドル売りを促し、一時1.0559ドルまで値を上げた。
 トランプ米政権の関税政策が経済に与える悪影響が懸念されて、欧州株相場が大幅に下落すると一時1.0497ドル付近まで伸び悩む場面もあったが下押しは限定的だった。一部通信社がメルツ次期独首相の話として「国防費に対する債務ブレーキを改革し、1%を超える支出を免除する」「ドイツは5000億ユーロの特別防衛基金を設立する」と伝わると、全般ユーロ買いが活発化。6時30分前に一時1.0627ドルと昨年12月6日以来約3カ月ぶりの高値を付けた。

・ドル円は反発。米政権による関税強化をきっかけに貿易摩擦が激化するとの懸念が高まると、世界的に株価が下落。投資家がリスク回避姿勢を強め円買い・ドル売りが先行した。2月25日の安値148.57円を下抜けて一時148.10円と昨年10月9日以来約5カ月ぶりの安値を更新した。
 ただ、米10年債利回りが上昇に転じると買い戻しが優勢に。「米国とウクライナは鉱物資源のディールで署名の準備」「トランプ米大統領はディールについて議会演説で発表の意向」との一部報道を材料に円売り・ドル買いを進める向きもあり、取引終了間際に149.88円と日通し高値を付けた。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領はカナダとメキシコの関税縮小を明日発表する可能性」「カナダとメキシコについて4月2日に関税の変更があるだろう」と発言したことも相場の支援材料。

・ユーロ円は大幅に3日続伸。世界的な株価の下落を受けてリスク回避の円買いが強まると、0時30分過ぎに155.60円と本日安値を付けた。ただ、そのあとはユーロドルやドル円の上昇につれた買いが優勢となり、159.21円の本日高値まで一転上昇した。ラトニック米商務長官の発言を受けて、過度の通商摩擦懸念が和らいだことも相場の押し上げ要因。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は大幅に続落。米政権がカナダとメキシコの輸入品に対し関税を発動し、中国には追加関税を引き上げた。関税強化による貿易戦争や世界経済への悪影響を懸念した売りが広がった。指数は一時840ドル超下落する場面があった。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は続落。中国での電気自動車(EV)販売が落ち込んだと伝わったテスラが4%超下げた。

・米国債券相場で長期ゾーンは3日ぶりに反落。米政権の関税政策への懸念で買いが先行すると、利回りは一時4.1040%前後と昨年10月21日以来の低水準を付けた。ただ、引けにかけては一転売りが優勢に。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領はカナダ・メキシコ関税の軽減を明日発表する可能性」と述べたことで、過度の通商摩擦懸念が和らいだ。

・原油先物相場は3日続落。昨日石油輸出国機構(OPEC)プラスのうち8カ国が4月から増産することが確認されたこともあり3日続落して引けた。米国がカナダとメキシコへの関税賦課を発令し、加墨も報復関税を行うことにより、北米経済への悪影響が原油をはじめとしたエネルギー需要減退につながるとの懸念も重しになった。もっとも、引けにかけてはユーロを中心にドル売りが進んだことで、ドルで取引される原油先物にとっては割安になったことから下げ幅を縮小した。

・金先物相場は続伸。ユーロを中心にドル安が進んだことで、ドルで取引される金先物は割安感から続伸。また、米国がカナダ、メキシコへの関税賦課を発動し、カナダは即時報復関税を実行、メキシコも9日に関税措置を発表することを決定した。国際情勢の混迷を嫌気し、安全資産とされる金先物には買いが集まりやすかった。

3/5

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=149.70円(前営業日NY終値比▲0.09円)
ユーロ円:1ユーロ=159.15円(▲0.02円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0631ドル(△0.0005ドル)
日経平均株価:37418.24円(前営業日比△87.06円)
東証株価指数(TOPIX):2718.21(△8.03)
債券先物3月物:139.20円(▲0.13円)
新発10年物国債利回り:1.440%(△0.020%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標) 
特になし

(各市場の動き)
・ドル円はもみ合い。東京仲値にかけて買いが観測されると一時150.18円まで値を上げたが、買いは続かなかった。その後は149円台後半から150円台前半を行ったり来たりする方向感のない動きが続いた。
 なお、内田日銀副総裁は今後の利上げ経路について、日銀の経済・物価見通しが実現していけば引き続き政策金利を引き上げ、金融緩和の度合いを調整していく方針を改めて表明した。また、トランプ米大統領は上下両院合同会議で施政方針演説を行い、ゼレンスキー・ウクライナ大統領から手紙をもらったと説明。手紙の中には「できるだけ早く交渉のテーブルに着く用意がある」、鉱物資源の共同開発を巡る合意については「いつでも署名する用意がある」と記されていたと述べた。

・ユーロドルは下値が堅い。欧州各国のウクライナ支援に対する積極的な姿勢が好感され、昨日の海外市場で大きく上昇した反動から1.0602ドルまで利食い売りに押された。ただ、1.06ドル台を死守すると欧州入り際には再び1.0639ドルまで値を上げ、昨年11月13日以来の高値を付けた。

・ユーロ円はもみ合い。一時159.54円まで値を上げたが上値は限られた。その後は高値圏での推移が続いている。

・日経平均株価は反発。トランプ米大統領が演説で日本を批判しなかったことで買い安心感が広がった。ただ、関税を巡る警戒感が根強く残る中で戻りを売る動きも目立った。

・債券先物相場は3日続落。昨日の米国債券相場が下落した流れを引き継いで売りが先行。内田日銀副総裁が利上げ継続姿勢を示したことも債券相場の重しとなった。

欧州マーケットダイジェスト

(5日終値:6日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=148.86円(5日15時時点比▲0.84円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.55円(△1.40円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0785ドル(△0.0154ドル)
FTSE100種総合株価指数:8755.84(前営業日比▲3.16)
ドイツ株式指数(DAX):23081.03(△754.22)
10年物英国債利回り:4.682%(△0.148%)
10年物独国債利回り:2.793%(△0.298%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
2月スイス消費者物価指数(CPI)
前月比    0.6%       ▲0.1%
1月仏鉱工業生産
(前月比)  ▲0.6%     ▲0.5%・改
2月仏サービス部門購買担当者景気指数(PMI)改定値
        45.3       44.5
2月独サービス部門PMI改定値
         51.1       52.2
2月ユーロ圏サービス部門PMI改定値
         50.6       50.7
2月英サービス部門PMI改定値
         51.0       51.1
1月ユーロ圏卸売物価指数(PPI)
(前月比)   0.8%      0.5%・改
(前年比)   1.8%      0.1%・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ユーロドルは堅調。独与野党が財政赤字を一定の規模に抑える「債務ブレーキ」の緩和で合意したことを受けて、拡張的な財政政策が投資や経済を支えるとの見方が高まると独長期金利の大幅上昇とともにユーロ買いが優勢となった。NYの取引時間帯に入ると、2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が7.7万人増と予想の14.0万人増を下回り、米長期金利が低下。全般ドル売りが活発化し、一時1.0788ドルと昨年11月8日以来の高値を付けた。
 なお、独10年債利回りは大幅に上昇し、一時2.800%前後と2023年11月以来の高水準を記録した。

・ユーロはドル以外の通貨に対しても上昇した。ユーロ豪ドルは一時1.7094豪ドル、ユーロNZドルは1.8898NZドル、ユーロポンドは0.8381ポンド、ユーロカナダドルは1.5539カナダドル、ユーロスイスフランは0.9612スイスフランまで値を上げた。

・ドル円は頭が重かった。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領はおそらく、カナダとメキシコへの関税の軽減を検討している」と発言すると149.74円付近まで上昇したものの、その後失速した。低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが優勢になると、一時148.40円と本日安値を更新した。
 ただ、24時発表の2月米ISM非製造業景況指数が53.5と予想の52.6を上回ったことが分かると149円台前半まで下げ渋る場面があった。前日の安値148.10円もサポートとして意識された。

・ユーロ円は底堅い動き。ドイツの拡張的な財政政策が投資や経済を支えるとの見方からユーロ全面高となった流れに沿った。独DAXが3%超急伸するなど、欧州株相場が堅調に推移したことも円売り・ユーロ買いを促し、一時160.67円と2月13日以来の高値を付けた。

・ロンドン株式相場は小幅ながら続落。ドイツ株中心に欧州株相場が大幅に上昇すると英株にも買いが波及し反発して始まったものの、トランプ米政権の関税政策による経済への影響が不安視される中、終盤失速した。電力・ガス供給のナショナル・グリッドや電力のSSEなど公益企業株が売られた。

・フランクフルト株式相場は大幅に反発。独与野党が財政赤字を一定の規模に抑える「債務ブレーキ」の緩和で合意したことを受けて、拡張的な財政政策が投資や経済を支えるとの見方が高まり株買いが膨らんだ。個別ではハイデルベルク・マテリアルズ(17.52%高)やドイツ銀行(12.36%高)などの上昇が目立ち、ボノビア(7.66%安)などを除く36銘柄が上昇した。

・欧州債券相場は独国債が大幅下落。国防費の増強に向けた厳格な債務抑制策の緩和に独与野党が合意したことで、保守的な財政政策が転換して債務負担が大幅に増えるとの懸念が高まった。

NYマーケットダイジェスト

(5日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.88円(前営業日比▲0.91円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.63円(△1.46円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0789ドル(△0.0163ドル)
ダウ工業株30種平均:43006.59ドル(△485.60ドル)
ナスダック総合株価指数:18552.73(△267.57)
10年物米国債利回り:4.28%(△0.04%)
WTI原油先物4月限:1バレル=66.31ドル(▲1.95ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2926.0ドル(△5.4ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な米経済指標)
       <発表値>   <前回発表値>
2月ADP全米雇用報告
        7.7万人    18.6万人・改
2月米サービス部門PMI改定値
         51.0       49.7
2月米総合PMI改定値
         51.6       50.4
2月米ISM非製造業指数
         53.5       52.8
1月米製造業新規受注
(前月比)   1.7%     ▲0.6%・改

※改は改定値、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ユーロドルは3日続伸。独与野党が財政赤字を一定の規模に抑える「債務ブレーキ」の緩和で合意したことを受けて、拡張的な財政政策が投資や経済を支えるとの見方が高まると、独長期金利の大幅上昇とともにユーロ買いが優勢となった。
 NY市場に入ってもユーロ買いの流れが継続し、5時30分過ぎに一時1.0797ドルと昨年11月8日以来の高値を付けた。2月ADP全米雇用報告で政府部門を除く非農業部門雇用者数が7.7万人増と予想の14.0万人増を下回ったこともユーロ買い・ドル売りを誘った。
 なお、24時発表の2月米ISM非製造業景況指数は53.5と予想の52.6を上回り、米長期金利は上昇に転じたものの、ユーロドルの下押しは限定的となり、高値圏での推移が続いた。

・ドル円は反落。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領は自動車などの分野に対する関税を和らげる考えだ」と発言すると149.74円付近まで上昇したものの、その後失速した。低調な米雇用指標をきっかけに全般ドル売りが優勢になると、一時148.40円と本日安値を更新した。
 ただ、24時発表の2月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ったことが分かると下げ渋った。前日の安値148.10円もサポートとして意識された面があった。
 NY午後に入ると、米ホワイトハウスのレビット報道官が4日に発動したカナダとメキシコに対する25%の関税について「自動車への適用は1カ月免除する」と発表。事前に観測報道が流れていたこともあり市場の反応は限られたが、レビット報道官が「トランプ米大統領は関税の適用除外の要請にオープン」との見解を示すと、ダウ平均が一時610ドル超上昇。米長期金利も上昇し、ドル円は149.14円付近まで値を戻す場面があった。

・ユーロ円は4日続伸。ドイツの拡張的な財政政策が投資や経済を支えるとの見方からユーロが全面高に。欧米株価の上昇に伴う円売り・ユーロ買いも出て、5時30分前に一時160.73円と2月13日以来の高値を付けた。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は3日ぶりに反発。米政府が対カナダ・メキシコ関税を巡り自動車への適用を1カ月免除すると発表したことを受けて、貿易摩擦の激化への懸念がやや後退。主力株に買い戻しが集まった。指数は一時610ドル超上げた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も3日ぶりに反発。前日に大幅下落した電気自動車(EV)のテスラが買われた。

・米国債券相場で長期ゾーンは続落。低調な2月ADP全米雇用報告を受けて買いが先行したものの、2月米ISM非製造業景況指数が予想を上回ると一転売りが優勢に。米国株相場の上昇も相場の重しとなった。

・原油先物相場は4日続落。4月からの石油輸出国機構(OPEC)プラスの実質増産を嫌気した売りの流れが継続し、引け値水準としては昨年9月10日以来となる水準まで押し下げた。米国によるカナダ・メキシコ・中国への関税賦課で景気減速懸念が高まり、エネルギー需要の減退予想も引き続き重しになった。なお、米エネルギー省(EIA)週間石油在庫は、原油在庫は増加したが、ガソリン在庫と中間留分は減少するまちまちな結果だった。

・金先物相場は3日続伸。ユーロを中心にドル安が進んだことで、ドルで取引される金先物は割安感から3日続伸。また、米国の関税賦課による国際情勢の不透明感を嫌気し、引き続き安全資産とされる金先物には買いが集まりやすかった。

3/6

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=148.93円(前営業日NY終値比△0.05円)
ユーロ円:1ユーロ=161.00円(△0.37円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0810ドル(△0.0021ドル)
日経平均株価:37704.93円(前営業日比△286.69円)
東証株価指数(TOPIX):2751.41(△33.20)
債券先物3月物:138.48円(▲0.72円)
新発10年物国債利回り:1.515%(△0.075%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)  
   <発表値>    <前回発表値>
対外対内証券売買契約等の状況(前週)
対外中長期債
  7083億円の処分超 1兆380億円の処分超・改
対内株式
 1兆5142億円の取得超 1970億円の処分超・改

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は頭が重い。日経平均株価が大きく上昇して始まったことを受けて買いが先行。東京仲値にかけて本邦実需勢の買いも観測されて一時149.33円まで値を上げた。ただ、午後に入り、対ユーロでドル売りが強まると次第に上値が重くなり148.70円台まで押し戻された。

・ユーロドルは底堅い。朝方はユーロ円の上昇につれて1.0820ドルまで値を上げ、昨年11月7日以来の高値を付けたが、時間外で米長期金利が上昇したこともあり一巡後は1.0784ドルまで売りに押された。一方で、独財政拡張期待が高まるなかで押し目買い意欲も強く再び高値圏まで持ち直している。

・ユーロ円は強含み。日本株高で買いが先行すると161.28円まで値を上げた。その後はドル円は伸び悩んだが、ユーロドルが上昇したため下値も限定的だった。

・日経平均株価は続伸。関税政策を巡る過度な警戒感が後退したことで幅広い銘柄に買いが広がった。上げ幅は一時400円を超える場面も見られた。

・債券先物相場は4日続落。昨日の欧米長期金利が大きく売られた影響を受け、売りが膨らんだ。なお、新発10年物国債利回りは1.50%台に乗せると、1.515%まで上昇して2009年6月以来の高水準となった。

欧州マーケットダイジェスト

(6日終値:7日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.91円(6日15時時点比▲1.02円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.69円(▲1.31円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0797ドル(▲0.0013ドル)
FTSE100種総合株価指数:8682.84(前営業日比▲73.00)
ドイツ株式指数(DAX):23419.48(△338.45)
10年物英国債利回り:4.660%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.833%(△0.040%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な欧州経済指標)
       <発表値>    <前回発表値>
欧州中央銀行(ECB)、政策金利
      2.65%に引き下げ   2.90%

(各市場の動き)
・ドル円は下落。日本の連合が6日公表した2025年春闘の賃上げ要求は32年ぶりに6%を上回った。高水準の賃上げ要求を受けて、市場では「日銀が早期に追加利上げに動く」との観測が高まり、円買いが広がった。2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前年同月比103.2%上昇だったことが分かると、明日7日の2月米雇用統計への警戒が高まりドル売りも活発化。23時過ぎには一時147.32円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。アジア時間に付けた日通し高値149.33円から2円超下落した反動で短期勢のショートカバーが先行。ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の全製品に対する関税を延期する可能性」と発言すると、米関税政策を巡る過度な警戒が後退し、米国株相場の下げ渋りとともにドル円にも買い戻しが入った。米長期金利の上昇も相場を下支えし、1時30分前には148.39円付近まで値を戻した。
 もっとも、米国株相場が再び軟調に推移するとドル円の上値も重くなった。3時前には147.65円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは伸び悩み。円絡みの取引が中心となったため、しばらくは狭いレンジでの値動きが続いたものの、欧州中央銀行(ECB)定例理事会の結果が伝わるとユーロ買い・ドル売りが優勢に。24時過ぎに一時1.0853ドルと昨年11月6日以来4カ月ぶりの高値を付けた。ただ、買い一巡後は利食い売りなどが出たため、1.0792ドル付近まで上値を切り下げた。
 ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明では「ディスインフレのプロセスは順調に進んでいる」「利下げにより企業や家計の借入コストが低下し融資の伸びが加速するなか、金融政策は実質的に制約的ではなくなりつつある」「理事会は特定の金利経路を事前にコミットしない」と表明した。
 また、ラガルドECB総裁は理事会後の会見で「貿易政策の不確実性の高さが成長の足かせ」「成長リスクは下振れ方向」と述べたほか、「ECBは漸進的な政策アプローチに移行」「インフレの2%目標は2026年の極めて早い段階に達成へ」などと話した。

・カナダドルとメキシコペソは上昇。ラトニック米商務長官の発言が伝わると、カナダドルとメキシコペソの買いが進んだ。カナダドルは対米ドルで一時1.4242カナダドル、メキシコペソは20.2150ペソまで値を上げた。
 なお、トランプ米大統領はSNSに「メキシコのUSMCA準拠品、4月2日まで関税免除」と投稿したものの、ラトニック氏の発言が事前に伝わっていたこともあり反応は鈍かった。

・ユーロ円は日銀の追加利上げ観測を背景に円買い・ユーロ売りが先行すると一時159.19円と日通し安値を付けた。ただ、前日の安値158.74円が目先サポートとして意識されると下げ渋った。ドル円の下げ渋りやユーロドルの上昇につれた買いも入り、160.71円付近まで下値を切り上げた。

・ロンドン株式相場は3日続落。英長期金利が大幅上昇して始まったことが投資家心理の重しとなり、売りが先行。2月英建設業PMIが予想を下回ったことも嫌気された。コンパス・グループやピアソンなど一般消費財サービスが売られたほか、ハルマやセイジ・グループなど情報技術セクターが値下がりした。

・フランクフルト株式相場は続伸し、史上最高値を更新した。この日も財政拡張方針を好感した買いが続いた。トランプ米政権が5日にカナダとメキシコに対する自動車関税の発動を1カ月延期すると発表したことも相場の支援材料。個別ではDHLグループ(14.19%高)やコンチネンタル(6.74%高)、ダイムラー・トラック・ホールディング(6.20%高)などの上昇が目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

NYマーケットダイジェスト

(6日終値)
ドル・円相場:1ドル=147.98円(前営業日比▲0.90円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.60円(▲1.03円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0785ドル(▲0.0004ドル)
ダウ工業株30種平均:42579.08ドル(▲427.51ドル)
ナスダック総合株価指数:18069.26(▲483.47)
10年物米国債利回り:4.28%(横ばい)
WTI原油先物4月限:1バレル=66.36ドル(△0.05ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2926.6ドル(△0.6ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は続落。NY市場に入っても日銀の追加利上げ観測を背景に円買いが入りやすかった。2月米企業の人員削減数(チャレンジャー・グレイ・アンド・クリスマス社調べ)が前年同月比103.2%上昇だったことが分かると、明日7日の2月米雇用統計への警戒が高まりドル売りも優勢に。23時過ぎに一時147.32円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。
 ただ、売り一巡後は下げ渋る展開に。急ピッチで下落した反動でショートカバーが入ったほか、ラトニック米商務長官が「トランプ米大統領は米国・メキシコ・カナダ協定(USMCA)の全製品に対する関税を延期する可能性」と話したことが相場を下支えし、1時30分前には148.39円付近まで値を戻した。
 もっとも、米国株相場が軟調に推移したことからドル円の上値は重かった。ダウ平均が一時620ドル超下落した場面では147.57円付近まで押し戻された。

・ユーロドルは4日ぶりに小反落。ドイツで国防費増強に向けた債務抑制策の緩和が示されたことをきっかけに独金利上昇が進む中、この日もユーロ買いが入りやすい地合いとなった。「欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいている」との見方が強まったこともユーロ買いを促し、24時過ぎに一時1.0853ドルと昨年11月6日以来4カ月ぶりの高値を付けた。
 ECBはこの日、市場予想通り政策金利を0.25%引き下げることを決めたと発表。声明文は従来の「金融政策は引き締め的」との表現が「利下げにより企業や家計の借入コストが低下し融資の伸びが加速するなか、金融政策は実質的に制約的ではなくなりつつある」に変更された。
 ただ、NY午後に入ると上値が重くなった。足もとで相場上昇が続いたあとだけに利益確定目的の売りなどが優勢となり一時1.0766ドルと日通し安値を更新した。

・ユーロ円は5日ぶりに反落。東京市場では「連合の傘下労組が要求した今年の春闘での平均賃上げ率が32年ぶりの6%超え」との報道をきっかけに、日銀の早期利上げ観測が高まり円高が進んだ。NY市場でもこの流れが継続し、22時過ぎに一時159.19円まで値を下げた。
 前日の安値158.74円が目先サポートとして意識されると、いったんは160.71円付近まで値を戻したが、ユーロドルの下落につれた売りが強まると再び下落。4時前に159.13円と日通し安値を更新した。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反落。トランプ米大統領はこの日、対カナダ・メキシコ関税について、USMCAに適合した輸入品の関税は4月2日まで免除することを決定。ただ、市場では「関税を巡る状況が二転三転しており、予測不能性が大きな懸念につながっている」との声が聞かれ、軟調な動きが続いた。半導体株が軒並み下落したことも相場の重しとなり、指数は一時620ドル超下げた。
 なお、トランプ氏は「米国株の急落の背後にはグローバリストがいる」「米国は長期的には強いため、市場など見ていない」などと述べた。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数は大幅に反落。

・米国債券相場で長期ゾーンは横ばい。独国債相場の下落を受けて米国債にも売りが波及した。ただ、米景気減速への懸念も強く、引けにかけては買いが優勢となり持ち直した。

・原油先物相場は5日ぶりに反発。昨日まで4営業日続落し、引け値としても昨年9月以来の水準まで下落したこともあり利食いが入りやすく5日ぶりに反発した。もっとも、来月からのOPEC+の増産と、関税賦課による景気減速懸念もあり上値も重く上げ幅はわずかだった。

・金先物相場は4日続伸。利食い売りに押される場面もあったが、一時下げ幅を縮小していた米株市場が再び軟調な動きを見せると安全資産とされる金先物は買われ、わずかながら続伸して引けた。ドル安も金先物の支えになった。

3/7

東京マーケットダイジェスト

ドル円:1ドル=147.45円(前営業日NY終値比▲0.53円)
ユーロ円:1ユーロ=159.45円(▲0.15円)
ユーロドル:1ユーロ=1.0813ドル(△0.0028ドル)
日経平均株価:36887.17円(前営業日比▲817.76円)
東証株価指数(TOPIX):2708.59(▲42.82)
債券先物3月物:138.62円(△0.14円)
新発10年物国債利回り:1.520%(△0.005%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(主な国内経済指標)
     <発表値>    <前回発表値>
2月外貨準備高
      1兆2533億ドル 1兆2406億ドル

※改は改定値を表す。▲はマイナス。

(各市場の動き)
・ドル円は上値が重い。朝方はショートカバーが先行し148.16円まで値を上げたものの、日銀の早期利上げ観測が高まるなかで一巡後は戻り売りが優勢に。日経平均株価が大きく下落したことが嫌気されたほか、時間外の米10年債利回りが低下したことも重しとなり、一時147.41円まで値を下げた。

・ユーロドルは強含み。米長期金利の低下を背景に買いが強まった。独財政拡張期待も引き続きユーロの後押し材料となり、一時1.0825ドルまで上昇した。

・ユーロ円はもみ合い。ドル円が下落した一方、ユーロドルが買われた影響を受けたためユーロ円自体は156円台前半から後半で上下した。

・日経平均株価は3営業日ぶりに反落。昨日の米ハイテク株が下落した流れを引き継いで半導体関連株を中心に売りが広がった。外国為替市場での円高・ドル安で輸出関連株にも売りが強まり、指数は一時900円近く下げ幅を広げた。

・債券先物相場は5営業日ぶりに反発。足元で相場下落が続いていた反動から短期的な戻りを期待した買いが散見された。

欧州マーケットダイジェスト

(7日終値:8日3時時点)
ドル・円相場:1ドル=147.49円(7日15時時点比△0.04円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=159.92円(△0.47円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0843ドル(△0.0030ドル)
FTSE100種総合株価指数:8679.88(前営業日比▲2.96)
ドイツ株式指数(DAX):23008.94(▲410.54)
10年物英国債利回り:4.638%(▲0.022%)
10年物独国債利回り:2.836%(△0.003%)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は売買が交錯し荒い値動きとなった。欧州勢参入後に円買い・ドル売りが強まると18時前に一時147.21円まで値を下げたものの、「日銀は今月開催する金融政策決定会合で政策の現状維持を決める公算が大きい」との観測報道が伝わると買い戻しが入り、じりじりと下値を切り上げた。
 NYの取引時間帯に入り、2月米雇用統計の結果が伝わると一時147.96円付近まで上げたものの、すぐに失速。23時30分過ぎには一時146.95円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。米労働省が発表した2月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比15.1万人増と予想の16.0万人増を下回り、失業率が4.1%と予想の4.0%より弱い結果となったことが円買い・ドル売りを誘った。
 ただ、売り一巡後は急速に買い戻しが進んだ。安く始まった米国株相場が上昇に転じたタイミングで147.73円付近まで持ち直した。市場では「147円を割り込んだあとは達成感もありショートカバーが強まったようだ」との声が聞かれた。
 もっとも、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感などから、米国株が再び下落するとドル円も上値が重くなった。2時過ぎには146.96円付近まで下押しした。トランプ米大統領は「カナダに対して早ければ今日、もしくは月曜日に相互関税を発動する」と発言。市場では「関税を巡る状況が二転三転しており、予測不能性が大きな懸念につながっている」との指摘があった。
 しかしながら、NY午後に入ると米国株が再び上昇。ドル円にも買い戻しが入り147.81円付近まで値を上げた。

・トランプ米大統領が「対カナダ関税、早ければ今日発動」と発言したことを受けて、カナダドルは対米ドルでは一時1.4426カナダドル、対円では101.92円まで下落した。

・ユーロドルは買い先行後、もみ合い。独財政拡張方針を好感したユーロ買いが入ったほか、「欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいている」との見方が相場の支援材料となり、じり高の展開が続いた。NY市場に入り、米雇用統計の結果が伝わると一時1.0889ドルと昨年11月6日以来の高値を付けた。
 ただ、節目の1.0900ドルに接近した場面では利食い売りや戻り売りなどが出たため伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りも出たようだ。
 なお、クーグラー米連邦準備理事会(FRB)理事は「インフレには重要な上振れリスクがある」「政策金利は当面、据え置くことが適切」と述べたほか、パウエルFRB議長は「FRBは急ぐ必要はなく、より明確になるまで待てる」「インフレ率2%への道のりは起伏が続くだろう」などと話した。

・ユーロ円は欧州市場ではユーロドルの上昇につれた買いが入り、じり高の展開となったが、NY市場に入るとドル円につれた荒い値動きに。1時前には160.75円と日通し高値を付けたものの、2時30分前には159.44円付近まで押し戻された。もっとも、NY午後に入り米国株が持ち直すと再び160円台に乗せた。

・ロンドン株式相場は小幅ながら4日続落。トランプ米政権の関税政策への懸念が引き続き根強く、売りがやや優勢となった。ただ、足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入ると、指数は上げに転じる場面もあった。アングロ・アメリカンやグレンコアなど素材株が売られた半面、セグロやランド・セキュリティーズ・グループなど不動産株が買われた。

・フランクフルト株式相場は3日ぶりに反落。米政権の関税政策に不透明感が強い中、世界景気の先行き懸念が高まり売りが優勢となった。前日に史上最高値を更新したあとだけに利益確定目的の売りも出やすかった。個別ではラインメタル(7.01%安)やバイエル(6.46%安)、MTUエアロ・エンジンズ(5.68%安)などの下げが目立った。

・欧州債券相場は英国債が上昇した一方、独国債が下落した。

NYマーケットダイジェスト

(7日終値)
ドル・円相場:1ドル=148.04円(前営業日比△0.06円)
ユーロ・円相場:1ユーロ=160.36円(△0.76円)
ユーロ・ドル相場:1ユーロ=1.0833ドル(△0.0048ドル)
ダウ工業株30種平均:42801.72ドル(△222.64ドル)
ナスダック総合株価指数:18196.22(△126.96)
10年物米国債利回り:4.30%(△0.02%)
WTI原油先物4月限:1バレル=67.04ドル(△0.68ドル)
金先物4月限:1トロイオンス=2914.1ドル(▲12.5ドル)

※△はプラス、▲はマイナスを表す。

(各市場の動き)
・ドル円は3日ぶりに小反発。2月米雇用統計発表直後に147.96円付近まで上げたものの、すぐに失速。23時30分過ぎには一時146.95円と昨年10月4日以来約5カ月ぶりの安値を付けた。米労働省が発表した2月米雇用統計で非農業部門雇用者数が前月比15.1万人増と予想の16.0万人増を下回り、失業率が4.1%と予想の4.0%より弱い結果となったことが円買い・ドル売りを促した。
 ただ、売り一巡後は急速に買い戻しが進んだ。安く始まった米国株が上昇に転じたタイミングで147.73円付近まで下げ渋った。市場では「147円を割り込んだあとは達成感もありショートカバーが強まった」との声が聞かれた。
 もっとも、トランプ米政権の関税政策を巡る不透明感などから、米国株が再び下落するとドル円も上値が重くなった。2時過ぎには146.96円付近まで下押しした。なお、トランプ米大統領は「カナダに対して早ければ今日、もしくは月曜日に相互関税を発動する」と表明。市場では「関税を巡る状況が二転三転しており、予測不能性が大きな懸念につながっている」との指摘があった。
 しかしながら、NY午後に入ると米国株が再び上昇。ドル円にも再び買い戻しが集まった。米長期金利の指標となる米10年債利回りが4.32%台まで上昇したことも相場の支援材料となり、アジア時間に付けた148.16円を上抜けて一時148.20と日通し高値を更新した。
 パウエル米連邦準備理事会(FRB)議長はこの日、シカゴ大学ブース経営大学院の経済フォーラムで「金利調整を急ぐ必要はない」「トランプ政権の政策とその経済的影響に関する不確実性は依然として高い」「不確実性の高まりにもかかわらず、米経済は好調」などと述べた。

・ユーロドルは反発。独財政拡張方針を好感したユーロ買いが先行したほか、「欧州中央銀行(ECB)の利下げ局面が終わりに近づいている」との見方が相場の支援材料となった。米雇用統計の結果が伝わると一時1.0889ドルと昨年11月6日以来の高値を付けた。
 ただ、節目の1.0900ドルに接近した場面では利食い売りや戻り売りなどが出たため伸び悩んだ。週末を控えたポジション調整目的の売りも出て1.0826ドル付近まで下押しした。

・ユーロ円も反発。1時前に一時160.75円と日通し高値を付けたものの、ドル円や米国株の下落につれた売りが出ると159.44円付近まで下押しした。ただ、NY午後に入り米国株が持ち直すと再び強含む展開に。ドル円の下げ渋りに伴う円売り・ユーロ買いも出て160.66円付近まで持ち直した。

・南アフリカランドは下落。米政府が同国に対する連邦資金拠出を全面停止したことを受けて、ランド売りが広がった。対ドルで一時18.3358ランド、対円で8.03円まで値を下げる場面があった。

・米国株式市場でダウ工業株30種平均は反発。2月米雇用統計が予想を下回ると労働市場の減速が米経済の重しになるとの見方から売りが先行。トランプ米政権の関税政策への懸念も根強く、指数は一時400ドル超下げた。ただ、NY午後に入ると買い戻しが優勢に。足もとで相場下落が続いたあとだけに、週末を控えたポジション調整目的の買いが入った。
 ハイテク株の比率が高いナスダック総合株価指数も反発した。

・米国債券相場で長期ゾーンは下落。低調な2月米雇用統計を受けて買いが先行したものの、NY午後に入ると週末を控えたポジション調整目的の売りが出て下げに転じた。

・原油先物相場は続伸。ロシアのノバク副首相がこの日、OPEC+が4月から原油増産を始めることで合意したと述べたが、市場の不均衡があれば決定を覆す可能性があるとも発言した。この発言を受けると原油先物は一時68ドル台まで上昇した。ただ、引けにかけてはドルがやや強含んだこともあり上げ幅を縮小して引けた。

・金先物相場は5日ぶりに反落。今週に入り上げ幅を広げていたこともあり、週末を前に利食いや持ち高調整の売りが優勢になった。米金利が上昇したこともあり、金利のつかない金先物の重しにもなった。

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-フィボナッチ・ゾーン(週次)