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「米利下げ、今年はない」予測の神様カウフマン氏

日経新聞より引用

Q、FRBの金融引き締めはいつまで続くでしょうか。

「物価上昇のペースを減速させるためにFRBは金融引き締めをやってきたが、インフレ率は依然として高水準だ。利上げはしばらく続けるだろう。1〜3月期の経済成長率は減速し、伸び率は小幅にとどまるだろうが、今年前半は利上げを続ける必要がある」

Q、労働市場の逼迫は金融政策にどう影響を与えますか。

「失業率は歴史的な低水準で賃金上昇圧力が拡大する背景になっている。インフレはモノからサービスの価格にシフトしており、サービス業の賃金上昇圧力が高まっている。FRBは失業率が現在の3.5%前後から4〜4.5%程度に上昇するまで利上げを続けることになろう」

Q、過剰な金融引き締めが景気後退を招くリスクは。

「労働市場は引き締まり、仕事にあぶれる人は少ないだけに、景気後退の兆候はいまのところ見られない。金融機関の貸し渋りはなく、企業も社債などを通じて容易に資金調達ができる状況だ。金利が高すぎるという水準ではない。こうした状況を踏まえれば、景気は減速しているものの、景気後退に陥ることはないだろう」

Q、小売・消費関連業界の財務体質が悪化しているという懸念もあります。

「小売業界はこれまで事業を過剰に拡大してきたツケが今回ってきている。業界はこれを修正するプロセスに直面しているが、景気全体に打撃を与えるほどの懸念はない」

Q、パウエル議長のインフレ退治の仕事ぶりは評価できますか。

「昨年のパウエル議長の対応は不十分と批判したが、やっと物価抑制の重要性を理解し、本腰を入れてインフレ退治をするようになった。ただ、もっと早くそれを認識して利上げに動いていれば、今のような高い物価上昇率にはならなかっただろう」

「パウエル議長を取り巻く環境をみると、経済・政治の両側面から利上げをするのに足かせがなくなった。昨年のFRB議長再任時に受けた政治的圧力もなくなり、失業率も低く、望ましい状況なだけに、パウエル氏は自由に利上げができる。FRB内での信認も獲得し、同氏の政策に異議を挟むメンバーもいない」

Q、サマーズ元財務長官がインフレ退治が不十分な場合、再びインフレ拡大に見舞われる懸念を表明しました。

「私も同感だ。FRBはその使命であるインフレ率2%に戻すことに徹底する必要があるが、まだ、その姿勢を強く示していない。インフレ率2%を達成できれば景気は今よりも望ましい状況になる」

Q、今、米証券ソロモン・ブラザーズが存在するなら、調査部長としてどんな金融商品が有望な投資先と推奨しますか。

「景気が依然として不安定な現在、債券も株式も財務体質の良好な質の高い企業が発行する証券に投資することが重要だ。米企業の合併再編・淘汰も今後増えると見込まれる。とくに地銀や中小の金融機関、保険会社で生き残りが難しい会社は淘汰の対象になるだろう」

Q、30年間続いてきた金利上昇から低下への大転換を予測した82年8月のメモのような予測を今年中に出すことはあるでしょうか。

「今年はそうした市場の大転換はないだろう」

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