経済用語

「指し値オペ」とは

日経新聞より引用

利回りを指定して国債を無制限に買い取る

1)日銀が指定した利回りで長期国債を買い取る制度

2)2022年02月14日に実施する指値オペは、10年物国債を対象に0.25%利回りであれば原則として無制限で買い取る

3)0.25%の水準で長期国債をすべて買い取ると日銀が宣言すれば、それを超える金利で国債が取引されることが理論上なくなる

4)事実上の上限金利となる。

5)市場の金利が上限に届かなければ、日銀は国債を買い取る必要がなくなる。

6)日銀の現在の金融緩和策は、長期金利を0%程度、短期金利をマイナス0.1%に誘導する長短金利操作(イールドカーブ・コントロール=YCC)が柱

7)21年3月には長期金利の範囲を「プラスマイナス0.25%程度」と切り替えた

8)世界的な金利低下で日銀が大胆な国債購入をしなくても日本の長期金利は低位で安定していた

9)情勢が変わったのは、インフレ懸念によって米欧の金利が上昇し始めてから

10)日本も徐々に長期金利が切り上がり始め、10日には一時0.23%と16年1月以来6年ぶりの水準まで上昇

11)金融政策で許容する「プラスマイナス0.25%」の上限に近づき、金利抑制策の発動に踏み切る

主要中銀では日銀のみ

1)米欧中銀は金融緩和の縮小にカジを切りつつある

2)日銀は「出口論は時期尚早」(黒田東彦総裁)と緩和姿勢を堅持する

3)米欧はインフレ率が目標の2%を大きく上回る

4)日本は2%に届かないまま

5)長期金利の上昇を容認すれば、設備投資や住宅投資が弱まる

6)米欧に続いて日銀も金融緩和を縮小するのではないか、という市場の観測をけん制する狙いもある

7)中銀は伝統的に取引リスクが極めて小さい短期市場で金利をコントロールしてきた

8)物価下落で政策金利がゼロに張り付き、金融緩和の余地がなくなると、日銀は大量に国債を買い入れて資金供給する量的緩和を編み出した

9)それでも物価はなかなか上向かず、黒田体制で繰り出したのが長期金利を抑え込むYCCだ

10)長期金利を政策目標としてコントロールしているのは、主要国中銀で日銀だけ

国債売買が細る副作用も

1)FRBは第2次世界大戦時に低利での戦費調達を支援するためYCCを導入

2)その後も低金利政策を求める政府の圧力でYCCを長く解除できなかった経験がある

3)長期金利は「経済の体温計」と表現されるが、中銀が人為的に低位に抑え込めば、歴史的に財政規律などが緩むリスクがある

4)日銀が国債取引を過度に管理すれば、自由な売買を妨げて市場機能そのものを損なう懸念もある

5)国債価格が変動しなければ取引金融機関は利益を出せない

6)YCCが長期化すれば金融機関の日本国債離れが進む可能性もある

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