1)英イングランド銀行(中央銀行)は2日、政策金利を
年3.5%から4%に引き上げると発表した。
2)利上げは10会合連続で、利上げ幅は2会合連続の0.5%だ。
3)金上昇を伴う根強い高インフレのリスクを懸念して
大幅な利上げを続ける。
4)ただ2023年は物価上昇率が大きく鈍化する見通しを出した。
5)市場では利上げ幅の縮小や一時停止の可能性が指摘されている。
6)1日まで開いた金融政策委員会で決定した。
7)政策金利が4%以上に決まるのは、2008年10月以来。
声明文では「労働市場は逼迫し、物価や賃金の上昇圧力は
予想以上に強く、インフレが残り続けるリスクがある」
と強調した。
8)22年12月の英消費者物価指数(CPI)は前年同月比10.5%上昇。
約41年ぶり高水準の10月の11.1%からほぼ鈍化していない。
9)一方でガス価格の下落や供給網の混乱が和らいだことで
「英国を含む世界のインフレはピークに達したようだ」
と指摘した。
10)合わせて発表した四半期ごとの金融政策報告書では、
23年10〜12月期のCPI見通しは前年同期比4%上昇と、
前回(22年11月)の5.25%から下方修正した。
11)イングランド銀行のベイリー総裁は会見で
「24年春以降のCPIは(2%の)目標を下回る」と発言した。
12)声明文では「もしインフレ圧力がより根強くなることを示す証拠が出れば、
さらなる金融引き締めが求められる」と利上げに条件を付けた。
13)市場予想では、次回の3月会合で政策金利を4%のまま据え置く
との見方が、前日の2割から発表後に4割へ増えた。
14)金融政策委員会では投票権を持つ9人のうち、
ベイリー総裁を含む7人が0.5%の利上げに賛成した。
15)他の2人は政策金利の据え置きが適切だと主張して反対した。
ただ見通しには大きな不確実性があるともしている。