【ニューヨーク=斉藤雄太】19日の米債券市場で長期金利が一時、4.37%まで上昇(債券価格は下落)した。8月下旬に付けた金利水準を上回り、2007年11月以来15年10カ月ぶりの高水準になった。インフレ再燃を警戒する米連邦準備理事会(FRB)が高い政策金利をより長く保つとの見方が広がり、国債売りが優勢になった。
長期金利の指標になる10年物国債利回りは前日から0.05%ほど上昇し、4.37%を上回る場面があった。終値は4.365%程度だった。
FRBは19日から米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、20日に決定内容を公表する。市場では、今回の追加利上げは見送る一方、必要に応じて年内に利上げする選択肢は残すとの見方が根強い。足元の原油高や米景気の強さがインフレ減速を阻み、反転上昇させるリスクがくすぶっているためだ。
3カ月に1度示すFOMC参加者の経済見通しでは、前回の6月時点で24年に計1%の利下げを実施するシナリオを示している。今回の会合で「24年の利下げ幅を0.75%に縮小する」(バンク・オブ・アメリカ)との予想も出ており、金融引き締めに積極的なタカ派姿勢への警戒感が結果発表前の金利上昇につながっている。