米欧の長期金利が上昇(価格は下落)している。米国の長期金利は2022年11月以来の高水準を付け、その時期以来の4%台が間近に迫る。ドイツでも11年以来12年ぶりの水準まで上昇している。経済指標の上振れが相次ぎ、中央銀行の利上げ長期化への懸念が高まっている。
米国の長期金利の指標となる10年物国債の利回りは2月28日、一時3.98%とおよそ3カ月ぶりの高水準をつけた。雇用と物価関連の指標が市場の事前予想を上回るケースが目立っている。長引くインフレへの対応として、米連邦準備理事会(FRB)が積極的な金融引き締めを続けるとの見方が強まった。
ドイツの長期金利も上昇している。28日に一時2.7%台と11年7月以来およそ12年ぶりの高水準となった。フランスとスペインの2月の消費者物価指数(CPI)の上昇率がともに市場予想を上回った。欧州中央銀行(ECB)が利上げを続けざるを得ないとの予想が勢いを増し、金利全般に上昇圧力がかかっている。
世界の主要中銀の利上げが長引けば、経済には下押し圧力がかかる。三井住友トラスト・アセットマネジメントの稲留克俊氏は「利上げの期間が長くなることで、経済が急激に落ち込むリスクがこれまで以上に高まっている」と指摘している。