【ワシントン=赤木俊介】米連邦準備理事会(FRB)は8日発表した地区連銀経済報告(ベージュブック)で、2023年1月中旬以降の米経済が「わずかに成長した」と総括した。全体として供給網の混乱が落ち着き、労働市場も堅調だった。一方、多くの関係者が今後数カ月で「景気が大きく回復する見込みは薄い」との見方を示した。
全米12地区連銀の管轄地区のうち、ボストンやフィラデルフィアなど8地区では「経済活動が緩やかに拡大した」と報告した。半面、カンザスシティーとクリーブランドの2地区は経済活動が鈍化したと報告。残り2地区は経済活動が前回報告から横ばいだったとした。報告書全体で「減速」が62回、「減少」は66回登場し、いずれも23年1月の前回報告から減った。「リセッション(景気後退)」は5回と前回(12回)から減少した。