東京外為市場
ドル円は方向感がない。朝方に152.75円まで値を上げたものの、田村日銀審議委員が中立金利について「最低でも1%程度」との見解を示し、物価目標を達成するために「2025年度後半には少なくとも1%程度まで短期金利引き上げが必要」と述べると、日銀の早期利上げ観測から売りが優勢に。昨日安値の152.12円を下抜けて151.82円と昨年12月12日以来の安値を付けた。ただ、152円割れで下値の堅さを確認すると、一巡後はショートカバーが入り152円台半ばまで反発している。
欧州外為市場
ドル円は頭が重かった。欧州勢参入後はショートカバーが優勢となり一時152.89円と日通し高値を付けたものの、買い戻しが一巡すると徐々に弱含んだ。前日の12月毎月勤労統計の結果や本日の田村直樹日銀審議委員の発言を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい地合いとなった。
NYの取引時間帯に入ると、10-12月期米非農業部門労働生産性速報値や10-12月期米単位労働コスト速報値、前週分の米新規失業保険申請件数が軒並み予想より弱い内容だったことが伝わり、全般ドル売りが活発化。東京時間に付けた151.82円を下抜けて一時151.66円と昨年12月11日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
NY外為市場
ドル円は4日続落。10-12月期米非農業部門労働生産性速報値や10-12月期米単位労働コスト速報値、前週分の米新規失業保険申請件数が予想より弱い内容だったことが分かると全般ドル売りが先行。前日の12月毎月勤労統計の結果や本日の田村直樹日銀審議委員の発言を受けて、「日銀の追加利上げの時期が早まる」との観測が高まる中、円買いが入りやすい面もあり、4時30分過ぎには一時151.24円と昨年12月11日以来約2カ月ぶりの安値を更新した。
前日の赤沢経済再生相や本日の加藤財務相の発言を受けて、「日本政府要人からインフレを意識する発言が出たことで、日銀の利上げ継続は既定路線とみる市場参加者が増えたようだ」との指摘もあった。